2017年、RTDリーグ初出場で健闘したものの、決勝進出を逃した猿川真寿(日本プロ麻雀連盟)。不慣れなルールで「トップを狙い過ぎた」ため、押し引きバランスが乱れ、自身のフォームを崩した。そんな時、プロ級雀士・萩原聖人に「俺の知ってるサルの麻雀じゃない!」と一喝されたという。覚醒し、復調した猿川。満を持してRTDリーグの頂点を目指す。

 猿川はRTDリーグ2017に初出場、予選を勝ち抜いたものの準決勝で敗退した。予選前半では「どのぐらいトップに比重を置いたらいいのかがわからなかった」と+50ポイント(1位の順位ポイント)を意識すぎて崩れてしまった。

 実際、BLACK DIVISION予選30回戦が終わった時点で、猿川のマイナスポイントは200を超えて8人中7位。そこからV字回復し、準決勝に進出した。そのきっかけは、今回RTDリーグ初出場となる芸能界最強雀士、萩原聖人からの叱咤激励だった。「誰にもできない、誰にも打てない麻雀をそれぞれが打つ場、それがRTDって舞台なんじゃないのか」と負けを恐れ、自分の麻雀がブレていたことを一喝してくれたという。それからの猿川は「精一杯ぶつかって、負けたらその時にまた考えればいい」と持ち前のアガリに対する嗅覚を取り戻し、予選を突破した。

 RTDリーグ2018開幕を前に、昨年苦しんだことを生かし、トップに特化し過ぎず、普段通りの麻雀を打っていくだけと自信に満ちている。予選で追い込まれたら「追い込まれた時に対処する」と気負いはない。

 猿川の麻雀感は「答えを求めすぎないこと」に重きを置き、断定はしない。一打一打には常に良い面と悪い面がある中、多様な局面から展開を予測し、何を選択するのか。その決断を支えるのものは「直感」であり、直感を磨き上げた先に確信に近づけた「読み」があると捉えている。要するに、読みの前には「直感」があるのだ。ただ卓上で直感を読みで確信に近づけていくためには「基本」を身につけていることが大前提だという。基本があってこそ、自分に即した直感が持てるようになれると、アマチュアにもアドバイスを送ってくれた。常に験を担ぐ猿川は「決勝まで行けたんで悪くないかな」と、昨年惜敗した麻雀最強戦で着用していたスーツでRTDリーグの開幕戦を戦う。

 2018年は目標にも事欠かない。RTDリーグ決勝進出からの優勝、最強位、日本プロ麻雀連盟A1リーグ昇格。あらゆる対局で逃げずに、泥臭く、戦い続ける。「直感」を読みで「確信」に近づけた先にある栄冠を目指して。【福山純生(雀聖アワー)】

◆猿川真寿(さるかわ・まさとし) 1979年4月18日、静岡県生まれ、O型。日本プロ麻雀連盟所属。第17期麻雀マスターズ。異名は「逆転モンキー」。

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