(久保との再戦が決まった武居は「無傷での真っ向勝負を楽しみにしてほしい」)
新生K-1が始まって以来、最大のイベントとなる3月21日のさいたまスーパーアリーナ・メインアリーナ大会では、実に7階級のタイトルマッチが行なわれる。1月21日の記者会見では、最後に決まった2階級のマッチメイクが発表に。ヘビー級では王者アントニオ・プラチバットにロエル・マナートが挑戦。そしてスーパー・バンタム級王座戦は武居由樹vs久保賢司となった。
チャンピオンの武居はK-1 AWARDS 2017でMVPを獲得。昨年4月のトーナメントに優勝して王座獲得、年間トータル5戦5勝4KOと見事な戦績を残した。今年は「もう一回MVPを取るつもりで闘いたい」と言う。
その初戦でベルトをかけて闘うことになった久保は、トーナメントの決勝でもぶつかった相手。当初はKrush王者の寺戸伸近が挑戦する予定だったが、試合までにコンディションが整わないという申し入れがあったため、久保に白羽の矢が立った。昨年4月の久保は久々の復帰戦であり、トーナメントだけにダメージや疲労も。それでも久保戦は昨年の武居が唯一、KOを逃した試合だった。「無傷でやったらどうなるか。絶対にいい試合になる」という武居は「日本人でタイトルマッチをやるなら寺戸選手か久保選手しかいない」と、その実力を認めている。
すでに一線から退き、指導者としての活動に専念するつもりだったという久保は、降って湧いたオファーに複雑な心境だったようだ。それでも武居戦の映像を見ているうちに「気づいたら殺してやろうと思っていた」という。会見での久保は、前回の寺戸戦同様に危険なコメントを連発。
「死ぬほど恥をかかされた相手。かなり鬱憤がたまってるんで。3月21日はさいたまスーパーアリーナのリングを血の海にします」
「チャンピオンはK-1のMVP、K-1の宝物。それを自分の手でぶっ壊したい」
「このクソガキに地獄を見せてやらないと気が済まない」
負の感情を叩きつける久保に対し、武居はまったくのマイペースだ。21歳、あどけなさも残る顔で「試合を受けてくれてありがとうございます」。挑発に対しても「久保選手は前回の試合の後も褒めてくれたので。この場で言ってるだけかなと思います」と、ナチュラルにバッサリ切ってしまった。
個性が正反対な王者と挑戦者によるタイトルマッチ、いかにもな舌戦にならないところまで含めて興味深い。試合はもちろん、その過程での言葉のやりとりも楽しみにしたいところだ。
久保との再戦が決まった武居は「無傷での真っ向勝負を楽しみにしてほしい」。