将棋の中学生棋士・藤井聡太五段(15)が、新たな記録を同時に2つも樹立した。2月17日、第11回朝日杯将棋オープン戦決勝で広瀬章人八段(31)を下し、将棋界では中学生で初となる棋戦優勝を果たした。また昇段規定の「五段昇段後全棋士参加棋戦優勝」もクリアし、最年少の15歳6カ月で六段昇段も決めた。1日には順位戦C級1組への昇級を決めて五段に昇段したばかりだったが、それからわずか16日で六段となった。
 朝日杯将棋オープン戦は持ち時間40分、切れたら1分の早指し戦。準決勝で、過去5度の優勝を誇る羽生善治竜王(47)との公式戦初対局に119手で勝利すると、決勝でもタイトル経験者の広瀬八段に対し、じっくりとした序盤から徐々にリードを広げペースを握り続けた。一般棋戦は竜王、名人などの「8大タイトル」には含まれないが、今回優勝した朝日杯は全棋士参加のトーナメント戦ということもあり、難易度はタイトル獲得と変わらないとされている。