魔裟斗、山本KID徳郁、小川直也、武尊と4人の格闘レジェンドが推薦した選手でトーナメントを争った「格闘代理戦争」。魔裟斗推薦の松村英明が優勝~K-1デビューが決定したが、勝者も敗者もそれぞれ2ヶ月という短期間で次への期待を感じさせる結果となった。彼らが歩みだした次の一歩とは?
小川直也が推薦した元柔道国体優勝者・小倉拓実は、総合格闘技の解説でもお馴染み、和術慧舟會HEARTS代表の大沢ケンジの門をたたき、本来希望だったMMAの世界への一歩を踏み出した。
「K-1の試合は全然無理だと思ってたが、根性が半端じゃなかった。気持ちが強いし中学・高校で柔道日本一になっているから本当にスターになれると思う」(大沢ケンジ)
小川の指導のもと、2ヶ月という短いスケジュールで打撃を習得。対戦者の松村に敗れたものの、大沢が「責任をもって育てる」と惚れ込んだ逸材。大沢も「僕の夢はUFCチャンピオンを育てること」と夢は大きいが「20年柔道で組技をゼロにして、K-1をやるのは勿体ない。MMAをやったらその20年は無駄にならない」と断言する。
初見で総合格闘技の組技を体感した小倉について大沢は「スタート地点は大分高いところから始まるので期待しかない。柔道、レスリングのトップが総合格闘技に来るのは最近少ない、来てくれたら日本の総合格闘技が盛り上がる」と鼻息が荒いが、アメリカのUFCやベラトールといったメジャーリーグの選手たちが、レスリングや各競技のアマチュアトップや、プロ経験者という精鋭部隊の集まりであることを考えれば、柔道エリートの小倉のMMA転身は将来的に日本の総合格闘技に大きなインパクトを与えてくれる、そんな期待が高まる。
小倉の近況だが、自身のツイッターで米村克麻と阿部一二三という超大物柔道家とのトレーニングを一部を明かしたり、柔術、レスリングへの挑戦などを断片的につぶやきMMAファイターへの一歩を踏み出していることが容易に想像できる。どのような形で再び登場するか、彼の新章に注目したい。