将棋の順位戦A級最終戦(11回戦)が3月2日に行われ、前年に佐藤天彦名人に挑戦した稲葉陽八段、羽生善治竜王、広瀬章人八段、佐藤康光九段、久保利明王将、豊島将之八段が6勝4敗で全対局を終了。史上最多の6人によるプレーオフで、挑戦者を決定することになった。
前日まで久保王将、豊島八段が6勝3敗で、ともに勝利すれば2人のプレーオフ、1人が勝利し、もう1人が敗れると挑戦者が決まるという状況だったが、2人とも敗れたために前代未聞の大混戦に。全対局を終えていた羽生竜王、この日勝利して6勝目を挙げた稲葉八段、広瀬八段、佐藤九段の計6人が同じ勝敗数で並んだことで、過去の4人(1978年度、1992年度、2015年度)を上回る6人でのプレーオフが実現した。
3人以上のプレーオフになった場合は、順位の低い順でから対戦する変則のトーナメント戦「パラマス方式」で挑戦者が決定することになっている。今回、6人でのプレーオフになったため、以下のように対局が行われる。
1戦目 久保王将(9位)VS豊島八段(10位)
2戦目 1戦目の勝者VS佐藤九段(8位)
3戦目 2戦目の勝者VS広瀬八段(4位)
4戦目 3戦目の勝者VS羽生竜王(2位)
5戦目 4戦目の勝者VS稲葉八段(1位)
久保王将、豊島八段は初の名人挑戦まであと一歩だったが、一転して挑戦権獲得にはトーナメントで5連勝することが必要となった。羽生竜王は挑戦権を獲得、名人奪取となれば、タイトル通算100期獲得という新たな金字塔を打ち立てることになる。
名人戦七番勝負は4月11日から開催されることが決まっており、プレーオフの5局は約1カ月の間に行われる。
【順位戦A級最終成績】
6勝4敗 稲葉陽八段、羽生善治竜王、広瀬章人八段、佐藤康光九段、久保利明王将、豊島将之八段
5勝5敗 深浦康市九段、三浦弘行九段
4勝6敗 渡辺明棋王 ※降級
3勝7敗 行方尚史八段 ※降級
2勝8敗 屋敷伸之九段 ※降級
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