春場所五日目のこの日は序ノ口で早くも“大一番”が実現した。昭和の大横綱・大鵬を祖父に持つ納谷と、叔父が元横綱・朝青龍である豊昇龍という、ともに確かな血筋を受け継いだホープ同士の直接対決は、納谷が左四つに組み止めて寄り倒す圧勝に終わった。
 優勝22回を誇るモンゴル出身初の横綱となった偉大な叔父も序ノ口優勝は逃しているだけに、豊昇龍は今場所の優勝を目標に掲げて公言していたが、これで“公約実現”の可能性は極めて低い情勢となった。