数々の激闘、好勝負が展開された3.21K-1さいたまスーパーアリーナ大会では、各階級のタイトルマッチも大いに盛り上がった。
この日、行なわれたのは実に6階級の王座戦。しかも、そのうち4試合がKO決着という衝撃的なものに。
ウェルター級(王者・久保優太がメルシック・バダザリアンに勝利)とヘビー級(挑戦者のロエル・マナートが勝利)は判定に終わったものの、それ以外はドラマチックな結末の連続になった。
スーパー・ライト級タイトルマッチでは王者・野杁正明が大和哲也から飛びヒザでダウンを奪い、最後はパンチ連打でKO。チンギス・アラゾフに日菜太が挑んだスーパー・ウェルター級王座戦はアラゾフが圧勝。蹴りを得意とする日菜太の間合いを潰し、ワンサイドの展開にしたアラゾフがカウンターの左フックを決めた。ライト級では、計量オーバーの王者ウェイ・ルイを卜部功也が左ストレート一発で完全KO。卜部はこれで2階級制覇だ。
そしてタイトルマッチ最後の試合、大会全体のセミファイナルとして行なわれたのが、スーパー・バンタム級のタイトルマッチだ。
チャンピオン・武居由樹はまだ21歳だが、昨年は全勝でK-1のMVPにも選出された。軽量級ながら“倒す闘い”が持ち味だ。そんな武居が昨年、唯一KOを逃した相手が挑戦者の久保賢司。試合前から「K-1の宝物を破壊する」、「血の海にする」と物騒な挑発を繰り広げてきた。
しかし、いざ試合が始まると一方的な展開に。相手が予測できないであろう角度からハイキックを決めた武居は、ロープに詰めると連打でダウンを奪う。立ち上がった久保へ、今度はボディブローから続けざまでの右フック。完璧なKOでの初防衛だった。
勝った武居は「足立区から来た、POWER OF DREAMの武居由樹です」と恒例のマイク。超攻撃的なファイトスタイルと純朴で謙虚なキャラのギャップも魅力だ。
試合ごとに存在感を増していると言っていい状況の武居。自身も意識しているという武尊に続くK-1の新エースとして、文句なしの試合を見せたと言えるだろう。