日本将棋連盟は4月2日、活躍した棋士たちを表彰する「将棋大賞」の2017年度の選考会を行い、中学生棋士として日本中を沸かせた藤井聡太六段(15)が特別賞と新人賞に決定した。また、MVPに当たる「最優秀棋士賞」には7つのタイトルで永世称号の資格を得る「永世七冠」を達成、将棋界初の国民栄誉賞も受賞した羽生善治竜王(47)が選ばれた。
藤井六段は2016年10月に史上5人目中学生棋士として、14歳2カ月にプロデビュー。デビュー直後から連勝を続け2016年度は10戦全勝で終えると、2017年度は全棋士最多となる73局、61勝(12敗)、勝率0.836、29連勝(年度またぎ)と、“部門4冠”を独占。2月には中学生棋士として初めて五段昇段を決めると、朝日杯将棋オープン戦では羽生竜王、佐藤天彦名人らを破り、最年少15歳6カ月で棋戦優勝を果たし、六段まで昇段した。
今後、藤井六段に達成の期待がかかる記録では、竜王戦5組ランキング戦で決勝に進出すれば、昇段規定により史上最年少の七段昇段が決まる。また、8つのタイトル戦については、屋敷伸之九段が棋聖戦で記録した18歳6カ月が最年少記録なだけに、今期は挑戦権を得られない名人戦、既に敗れた王将戦を除く6タイトルについては、挑戦し獲得すればもれなく最年少記録となる。
藤井六段のコメント 特別賞に選んでいただき、ありがとうございます。これからも将棋の可能性を追求し、棋力をあげるべく一層精進していきたいと思っております。今後ともよろしくお願い申し上げます。
藤井六段が達成した2017年度の主な記録は以下のとおり。
◆年度成績
73局 全棋士1位
61勝 全棋士1位 歴代4位タイ
勝率0.8356 全棋士1位 歴代4位タイ
29連勝 全棋士1位 歴代1位
◆史上初・最年少記録
五段昇段 中学生では史上初
六段昇段 最年少15歳6カ月
棋戦優勝 最年少15歳6カ月
◆その他の記録・表彰
順位戦C級2組初参加で全勝昇級 史上6人目
詰将棋解答選手権チャンピオン戦4連覇 史上初
ユーキャン新語・流行語大賞 選考委員特別賞「29連勝」
愛知県特別表彰
瀬戸市民栄誉賞
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