「もっと遠くへ――」。父の影響もあって3歳でゴルフと出会った小暮春輝少年は、その小さな白球を少しでも遠くへ飛ばしたい一心で日々、トレーニングに励んできた。この4月で中学に入学すると、身長178センチ、ドライバー飛距離は270ヤードに達していた。

「礼儀正しさと攻め続ける姿勢を持ったプロゴルファーになりたいです。目標は松山英樹選手、夢はマスターズ優勝です」

 夢と目標の実現に向けて邁進する13歳は、平日17時の学校終わりから1時間のトレーニングを行い、そのうち週3回は19時から塾にも通う。将来、海外でのプレーを見据えて英語の勉強にも余念がない。

 練習のコーディネートは、プロゴルファーの夢破れ、コーチに転身した父・博則さんが務めている。「圧倒的な飛距離」を短時間のトレーニングで生み出すためには「3倍の負荷が必要」と話し、その独自のトレーニング内容には、ラダーを使った敏捷性トレーニング、ゴルフ場脇にある170メートルの坂を利用する下半身強化を目的とした坂ダッシュ、スイングスピード向上のための連続素振りなどが挙げられる。特に10秒間に10回以上振るという連続素振りは、バックスイングを早めることで、切り返しのスピードと力を強化する狙いがあるという。

 その努力の賜物が270ヤードのドライビングだ。「ティーショットの飛距離を生かして、セカンドのショートアイアンで攻める。全体を通して“攻め続ける”のが特徴であり強み」と話す小暮少年は、18日から福岡県にて3日間の日程で行われるAbemaTVツアーの第2戦「i Golf Shaper Challenge in 筑紫ヶ丘」に参戦。そこで石川遼が持つ、15歳9カ月のツアー優勝最年少記録に挑む予定だ。

「1回の挑戦で未来への扉が開くとは思っていない。プロの舞台に立って全力でぶつかり、多くを吸収して、さらなるブレークスルーを成し遂げて欲しい」と親心をのぞかせた博則さん。ここからまた、親子二人三脚の新たな戦いが始まる。

◆AbemaTVツアー(旧チャレンジトーナメント)とは

賞金ランキング65位以内のトッププロが参加するレギュラーツアーへの登竜門。過去に片山晋呉、小平智などが優勝を果たし、プロゴルファーとしての輝かしいキャリアをスタートさせている。3月30日から始まる「Novil Cup」を皮切りに全12試合が行われ、成績上位者20名(昨季までは7名)にレギュラーツアーへのシード権が与えられる。

(C)AbemaTV

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