
(ゲストの須藤凛々花から優勝記念プレートを贈呈された梅田)
(C)DDTプロレスリング
DDTの新鋭・梅田公太が目覚ましい活躍を見せている。
若手ブランド「DNA」所属にしてDDT本興行にも出場する梅田。2014年にデビューし、2016年から昨年まで1年あまり、脚の負傷で長期欠場を経験している。
それでも、キックボクシング経験を活かした蹴り技主体のファイトでブランクを埋めるように存在感を発揮。ユニット・酒呑童子を「ここにいたら四番目でしかない」と離脱。先輩たちに反旗を翻し、3月の両国国技館大会では酒呑童子の3人を下してKO-D6人タッグ王者となった(パートナーは上野勇希&竹田光珠)。
明るいキャラクターが多いDDTにあって、梅田は口数も少ない硬派さが逆に光る。DDTのレギュラー・ゴールデンタイム生中継大会「DDT LIVE! マジ卍」でも、その個性を充分に発揮した。
梅田は番組第1回(4月10日)、第2回(4月17日)で行なわれた「マジ卍トーナメント」にエントリー。次世代スターの発掘を趣旨とし、優勝者はAbemaTVが全面バックアップするというトーナメントだ。梅田は1回戦で勝俣瞬馬を下すと、準決勝では伊藤麻希にも容赦ない攻撃を見せてギブアップを奪い、決勝はMAOに得意技・梅田ドライバー(仮)を決めた。
このトーナメントは1回戦、準決勝が5分一本勝負、決勝は10分、時間切れの場合は視聴者投票で勝敗を決する特別ルールだったが、梅田は一度も時間切れになることなく、すべて自力勝利。迫力のある打撃は短期決戦向きでもあった。
優勝した梅田には、まずDDTから2つの特典が授与されることに。一つは、5.1「マジ卍」でのタッグ王座挑戦だ。決勝を争ったMAOと組み、関本大介&樋口和貞の「関本組」に挑戦する。
もう一つは「七番勝負」の実施。これは数々の名選手も経験してきたプロレス界の伝統で、格上の選手に挑むことでトップ選手になるための経験を積むのが狙い。まさに団体の期待の表れと言っていい。
その初戦(4.29後楽園ホール)の相手として発表されたのは、ノアの潮崎豪。梅田にとっては巨大な壁だが、「マジ卍」のリングで対峙すると「ナメんなよ。覚悟しとけよ」と真っ向から睨み合う気の強さを見せた。

(リングに登場した潮崎とは真っ向からの睨み合い)
(C)DDTプロレスリング
「全力で叩き潰す。七番勝負の厳しさを教えてやりますよ」という潮崎だが、梅田はコメントでも一歩も引かず。「タッグ王座挑戦も七番勝負も、試練とは思ってない。チャンスが舞い込んできたとしか思ってないんで」。
梅田は熊本県出身。「ケガからも熊本の地震からも2年たって、こういうチャンスが来たのも運命なのかなって」と言う。成長著しい梅田が“期待の新鋭”から真の意味でトップ戦線に食い込めるか。ここからの試合はレスラー人生においても大きなポイントになるはずだ。
文・橋本宗洋
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