とある日の横浜スタジアム。試合を前にした一塁側のベンチに人だかりができていた。中心には横浜DeNAのアレックス・ラミレス監督(43)と担当通訳が座り、20分ほど談笑していた。プロ野球の監督が、いわゆる“囲み”取材で担当記者と話すこと自体は珍しくないが、その数がとにかく多い。数えてみるとちょうど40人で、テレビカメラ4台がその様子を押さえていた。連日、ハマスタが超満員になるほどの人気で知られる横浜DeNAだが、試合前のベンチもそれに負けじと満員状態だ。

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 今年3月30日の開幕直前、3月29日。人気スポーツ誌・Numberが発売されると、横浜DeNAファンがチームの勝利時に好んでネットで使う「\#横浜優勝/」の文字と、満面の笑みを見せる主砲・筒香の写真が表紙を飾った。前年、クライマックスシリーズを勝ち抜き、日本シリーズに進出した勢いのあるチームではあるが、このタイミングでの大きな扱いに、野球ファンの間では大きな話題になった。

 若くて元気なチームということもあり、数年前から本拠地ハマスタのチケットは、プレミア化している。2020年の完成を目指し、増築・改修を進めているが、この人気が持続するようであれば、簡単にチケットが手に入らないことは容易に想像がつく。かつては横浜エリアの熱狂的なファンに支えられた球団というイメージが強かったが、筒香をはじめ守護神の山崎康ら日本代表「侍JAPAN」に呼ばれる国内トップレベルの選手も増えたことから、人気も注目度も全国区になってきた。その表れが、ちょっとした記者会見などよりもはるかに多い、40人の記者による“監督囲み”となったわけだ。

 この40人という数字、12球団を見渡してもトップクラスの数だ。集まるのは全国紙、スポーツ紙、テレビ局、ラジオ局、ネットニュースの記者たち。スポーツ紙のベテラン野球記者の1人は「大洋、横浜時代だったら10人もいたかどうか」と話した。担当記者たちが気になるチームの状態、選手について質問が飛ぶと、ラミレス監督は1つずつ適切に答えていく。これがテレビやネットのニュース、翌日の新聞紙面に反映される。

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 ラミレス監督だけでなく、球団そのものもメディア対応が手厚いというのは、業界内では有名だ。試合の見どころ、注目される記録など、報道する時に必要な情報を球団側から提供するところは日本球界では珍しいという。どんな選手のどんなポイントに注目をすべきか、球団側から提案があるのだから、連日「ネタ」に頭を悩ませる担当記者としてはありがたい限りだ。

 チームは昨年優勝の広島を0.5ゲーム差で上回り単独首位。まだシーズンの1/8を終えた程度だが、出遅れた先発投手の穴を埋めてあまりあるほど、若手投手が活躍し、打撃陣も打つべき人がいいところで打っている。勝利の度にネット上で飛び交う「\横浜優勝/」も、この調子が持続するほど日増しにテレビや新聞でも、文字のサイズがどんどん大きくなる。

(C)AbemaTV


▶4/24 17:50~ 【プロ野球】横浜DeNAベイスターズvs広島東洋カープ

【プロ野球】横浜DeNAベイスターズvs広島東洋カープ | AbemaTV(アベマTV)
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