4月22日に開催されたKrush後楽園ホール大会のメインイベントは、-63kgタイトルマッチだった。チャンピオンの佐々木大蔵に挑戦したのは、ムエタイ戦士ゴンナパー・ウィラサクレック。

(Krushでの3戦目でベルトを巻いたゴンナパー)

同じ立ち技格闘技でも、Krushはヒジ打ち、首相撲など組み付いての攻撃が禁止のためムエタイとはファイトスタイルが大きく異なる。それでも強烈な蹴り、インサイドワークでルールの違いを乗り越えてしまうタイ人もいる。

前K-1王者のゲーオ・ウィラサクレックやゴンナパーは、テクニックに加えて“倒す攻撃”も持っている選手。ゴンナパーもK-1で活躍、佐々木の先輩である山崎秀晃や卜部功也に勝ち、タイトルマッチの経験も。Krushに参戦すると2戦連続でKO勝ちを収め、王座挑戦を決めた。佐々木にとっては、間違いなく最強の挑戦者だ。

日本のジムに所属するゴンナパーの応援団も大挙して会場を訪れ、大声援を送ったことで、試合の盛り上がりは序盤からMAXに。ゴンナパーは得意の左ミドルキックをアグレッシブに繰り出し、次々とヒットさせていく。

「(ミドルを)もらわないようにと思ってたんですけど、予想以上に伸びてきました。ゴンナパー選手のリズム、ペースに引き込まれてしまった」と試合後の佐々木。時おり佐々木のジャブ、右ストレートもヒットしたものの、常にゴンナパーが圧力をかけ続け、手数でも上回った。

さらにゴンナパーはカウンターの右フックでダウンも奪取。終盤は佐々木が追い上げを見せたが、それを「いなす」のはムエタイ戦士のゴンナパーには難しくなかっただろう。

判定は文句なし、3-0でゴンナパー。K-1のゲーオに続き、Krushで初のタイ人チャンピオン誕生だ。ゴンナパーによれば、ローキックを多用しなかったこと、ミドルで腕を潰しにいったのは、パンチが強い佐々木への対策だったという。“ムエタイ大魔神”と呼ばれるほどの攻撃力を持つゴンナパーが、しっかり作戦まで練ってきたのだから隙なしと言っていい。

大きな勲章を得たゴンナパーは、現K-1王者の卜部功也、前王者で自身が敗れているウェイ・ルイとの対戦をアピール。K-1再進出も目論んでいる。その一方で、Krushにおいて「ゴンナパーに勝てる可能性がある挑戦者は誰か」も今後のポイントになってくるだろう。それくらい、Krushでのゴンナパーの強さは際立っている。

Krush.87 2018.4.22 後楽園ホール 濃縮編集版 | AbemaTV(アベマTV)
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Krush.82 2017.11.5 後楽園ホール 濃縮編集版 | AbemaTV(アベマTV)
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