来年4月30日に退位される天皇陛下。1990年、日本国憲法下で初めて天皇に即位され、以来30年間、「象徴天皇」として歩んでこられた。
 大日本帝国憲法においては、天皇は元首であり統治権を総攬(=統合し掌握)、陸海軍を総帥すると規定され、政治的権能を有する存在だった。これに対し日本国憲法第1条には「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく」と書かれている。この"象徴"というこの言葉は、GHQが提示した草案に記された"Symbol"に対し、当時の日本では馴染みが薄かった言葉を当てたものだ。