将棋の王位戦挑戦者決定リーグの対局が5月3日に行われ、木村一基九段(44)が羽生善治竜王(47)に85手で勝利した。紅組ですでに2敗していた木村九段は、この対局に敗れると今期の挑戦権獲得の可能性が消える瀬戸際だったが、「千駄ヶ谷の受け師」の異名のとおりの粘り腰を見せた。
王位のタイトルは昨年、羽生竜王から菅井竜也王位が奪取。羽生竜王はここまで紅組で唯一の3戦3勝と単独トップを走っていた。羽生竜王が勝てば、白組優勝者との挑戦者決定戦に大きく前進するところだったが、木村九段が意地を見せたことで最終5回戦まで複数の棋士のチャンスがある混戦模様を呈してきた。
木村九段は2016年に当時王位だった羽生竜王に挑戦したものの、3勝4敗で悲願の初タイトルにあと一歩届かなかった。なお年間で60勝以上を挙げたことがあるのは羽生竜王、森内俊之九段、木村九段、そして昨年の藤井聡太六段の4人だけ。
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