新生児や生後3か月以内の乳児が発症する難病「大田原(おおたはら)症候群」をご存知だろうか。重篤な脳機能障害と発達の停止・退行をきたす希少難治てんかんの一種とされ、体のつっぱりなどと同時に意識消失も引き起こす。患者数は日本に100人未満とされ、有効な治療法も未だ確立されていないことから、2015年には厚生労働省の「指定難病」に指定された。
東京都立神経病院・脳神経外科医長の松尾健医師は「1976年に大田原俊輔先生が定義を作った病気だが、海外でも近い症例の報告は少なく、そもそも疑いもされないケースが多いのではないか」と話す。