将棋界に、新たな超早指し対決の幕が開く。AbemaTVは、将棋界初の「永世七冠」を達成した羽生善治竜王の着想から独自のルールで行う「AbemaTVトーナメント Inspired by 羽生善治」の開催を5月22日、発表した。持ち時間は各5分、1手指すごとに5秒が加算されるというもので、羽生竜王も趣味として行うチェスの「フィッシャールール」がベースになっている。1局20~30分ほどで決着がつく超早指しの「最速・最強」棋士決定戦が、梅雨を吹き飛ばし、夏を暑くする。
AbemaTVトーナメントは、A組からC組の予選に各4人の棋士が参加。1回の顔合わせで三番勝負を行い、先に2勝した棋士が勝利となる。リーグ戦ではこの三番勝負を2度制した棋士が各組2人ずつ勝ち上がり、計6人が決勝トーナメントに進出する。予選に参加する12人は、先日最年少で七段に昇段したばかりの藤井聡太七段をはじめ、順位戦A級で活躍する阿久津主税八段、叡王戦七番勝負で初タイトルに挑戦中の高見泰地六段ら、中堅から若手まで勢いのある棋士がそろっている。
決勝トーナメントには、羽生竜王のほか久保利明王将がシード棋士として登場。「早指しは若手有利」と言われる中で、将棋界の第一人者とタイトルホルダーが迎え撃つ格好だ。羽生竜王自身も「初めての試みというところもありますし、どういった反響というか、反応が返ってくるのか楽しみです」と意気込んでいる。
いきなり藤井七段が登場する予選A組の放送は6月17日(日)午後8時から。以降、毎週日曜日の午後8時に予選を計6回、決勝トーナメントは計7回、放送の予定。超早指しながら、勝負どころのために素早く指して時間を貯め込む戦術も見られそうな今回の対局企画。1手1分も見逃すところはなさそうだ。
◆羽生善治竜王(永世七冠)のコメント 「早指しの『棋戦』というのは公式戦でもあるんですけど、それをもっと速くというのは、なかったというのもあります。10代の頃だと、一手10秒とかで対局したり、あるいは5分切れ負けでやったりとか、あるといえばあるんですけど、切れ負けにしてしまうと、単なる時計の叩きあいになってしまうので、将棋の要素を最後まで残しながら早く指して、それがファンのみなさんに楽しんでもらえるようになってくれれば。初めての試みというところもありますし、どういった反響というか、反応が返ってくるのか楽しみです」
◆予選A組 橋本崇載八段、藤井聡太七段、三枚堂達也六段、近藤誠也五段
◆予選B組 山崎隆之八段、増田康宏五段、佐々木大地四段、大橋貴洸四段
◆予選C組 阿久津主税八段、永瀬拓矢七段、佐々木勇気六段、高見泰地六段
◆シード棋士 羽生善治竜王、久保利明王将
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