プロ野球解説者の鈴木健氏が、現在パ・リーグ首位に立つ埼玉西武ライオンズに言及。現在のチームと、自身も所属していた西武黄金時代と呼ばれたチームは「全くの別物」という認識を示した。

 西武黄金時代とは、森祗晶氏の指揮のもと、1986年~1994年の9年間で8度のリーグ優勝、6度の日本一に輝くなど圧倒的な強さを誇った時期を指す。鈴木氏は1989年~2002年の14年間を西武でプレーしており、その強さを肌で感じた張本人だ。

 まず当時のチームを振り返った鈴木氏は、極端な例えとしながらも「監督やコーチが何もアドバイスをしなくても、普通にやれば勝てるほどの強さ。投打においてチーム内であらゆる賞を競い合うほどのタレント揃いでしたからね」と話す一方、現在のチームついては「辻監督を中心にチームとしてバランスが取れている」とその印象を語り、2017年からチームを率いる辻発彦監督(59)の手腕、掌握術に注目した。

 「本来の辻監督は、野球に対して非常に厳しい姿勢を持っています。ただし、現在のチームを率いるようになって、練習中はもちろん、試合中でも、選手に対して厳しいことを言っている姿を見たことがありません。おそらく以前と今における、野球のスタイルや選手の性格など、様々な違いを敏感に感じ取り、よく理解されていることの表れだと理解しています」

 現在の西武の象徴であり、チームを牽引する中心選手の一人として名前が挙がったのは、今シーズン開幕から4番に座り、本塁打16本、打点53。ここまでリーグ二冠の活躍を見せる山川穂高内野手(26)。その存在を「彼は打っても打たなくても、とにかく明るい。ムードメーカーとして常に試合に出続ける彼の姿は、他の若い選手にとてもいい刺激、影響を与えているはずです」と評価し、西武の強さを次のように総括した。

 「秋山翔吾外野手(30)のように真面目な選手もいれば、浅村栄斗内野手(27)のように、ある意味、以前の野球選手のような豪快さを備えた選手もいる。個性豊かなタレント揃いでありながら、大胆さと緻密さの調和が上手くとれている。それが“辻・西武”の強さです」

辻氏が監督に就任して以降、緻密さや安定性は確かに増した。しかし鈴木氏には、リーグ制覇に向けた懸念もあるという。それが優勝経験の乏しさだ。

 「現在のチームには優勝経験が乏しい。交流戦を戦い、夏本番を迎える頃に長いペナントレースの疲労が出てきます。その時、若い選手はどのように対処するのか、仮に負けが込んできたとき、どのように踏みとどまり、立て直すのか。そこがシーズンの結果を左右するでしょう

 5月29日から始まったセ・パ交流戦はここまで6試合を終えて4勝2敗。今日からはセ・リーグ首位の広島を4.5ゲーム差の2位で追いかける横浜DeNAの本拠地に乗り込んでの3連戦となる。主砲・山川は交流戦で既に3HRを放つなど、チーム状態も良好な西武が敵地でどのような戦いを見せるのか注目だ。

(C)AbemaTV

▶6月5日 17時50分から放送
【プロ野球】横浜DeNAベイスターズvs埼玉西武ライオンズ

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