横浜DeNAラミレス監督が6月6日、雨の横浜スタジアムで井納翔一の先発再挑戦を明言した。今永昇太らの不調などで先発不足が懸念されているが、「先発の数が足りないというよりはリリーフとして結果が出せなかった」と説明。「2勝、8ホールドと勝ち運はあると思うが、リードしていたのに僅差にされてしまうことなどがあった。先発の能力はわかっているので、その方がいいのかなと思う」と考えを明かした。

 「開幕ローテーションに入り2ケタ勝利」を目標としていた井納だったが、開幕直前の3月25日にリリーフへの配置転換を言い渡された。「引きずっていたら結果は出ない。先発のプライドを捨てて徹する」と気持ちを切り替えようと努め、「勝ちパターンの7回」を任せられた。

 4月13日の中日戦では、9回、6対5の1点差リードの場面で出番がまわってきた。スタンドのファンはタオルを掲げ、ヤスアキジャンプの準備万端だった。「井納」のコールにどよめきが起こるも、5連投の山崎康を休ませ、プロ初セーブを挙げた“便利屋”に温かい声援が飛んだ。

 しかし、調子は安定せず防御率は4.08(6月6日現在)で、ここ3試合は失点が続く状況。とうとう5月23日から2軍での調整を余儀なくされた。本来の先発でのポテンシャルを把握しているラミレス監督は奮起を促し、先発再挑戦を決断したのだ。

 井納はエース候補といわれながらも、ここ2年は7勝11敗、6勝10敗と負け数が上回り、日本シリーズ初戦で先発するも7失点し、第3戦では、まさかのリリーフ登板。8回、1点ビハインドの場面で、1イニングを無失点に抑え、ガッツポーズしパットンにつないだ。中継ぎで機能したこともあってか、今季はリリーフとしての期待がかかったが、本来の輝きを失っていた。

 6月2日のファームでのロッテ戦。井納が先発に帰ってきた。先発投手がコールされると、横須賀スタジアムがざわめいた。4回5失点の投球だったが、150キロのストレートで飛ばした序盤より、140キロ台のストレートとカーブなどを織り交ぜた後半は、本来の先発の姿に近付いたのではないだろうか。

 「ただ井納という名前があるからといって、何回か投げて1軍とはならない。飯塚(悟史)、平良(挙太郎)とかと競い合ってもらう」とラミレス監督。感覚を戻すだけでなく、他の先発候補と競い合う必要がある。

 今シーズン、初のリリーフ登板のときには、ルーティーンの儀式で、マウンドに指で「1」と書いた。まっさらなマウンドに井納が戻ってきたとき、何を描くだろうか。「ピッチャー、井納」。そのコールを、ハマスタのファンは待っている。【山口愛愛】

(C)AbemaTV

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