ボクシングの元WBC世界フライ級王者・内藤大助が、趣味である将棋について「ボクシングは詰将棋ですよ」と、格闘技と頭脳戦に共通点があると語った。少年時代から将棋を楽しむ内藤は、都内で取材に応じると「好きな駒は桂馬。動きがトリッキーなのは僕も同じ」とにっこり。22歳のプロデビューから、遅咲きながら世界の頂点に立った男が、国内でブームが起きている将棋について、熱く語り続けた。
 幼いころから、家族とともに将棋を楽しんでいた内藤は、現役時代からボクシングを将棋に例えてきた。「自分がガッと打って出たのが1手目、それに相手が合わせて打って来るのが2手目。そこを狙って僕がカウンターを打つのが3手目。そんな感じです。詰将棋ですよね」と、身振り手振りを交えながら説明した。ジャブを出す、フェイントをする、強打する。自分の出す「手」に対して、相手が「手」を出し、そこを読み切ってさらに必殺の「手」を繰り出す。世界クラスのボクサーとなれば、無数の引き出しを持つと言われるが、数々の戦術を研究する将棋の棋士とやっていることは同じだ。