将棋の最年少棋士・藤井聡太七段(15)と増田康宏六段(20)が6月29日、竜王戦決勝トーナメント2回戦で対局し、増田六段が勝利した。2人の対局は昨年、藤井四段(当時)が史上最多の29連勝を達成した時以来。日本中の注目を浴びた一局で苦杯をなめた増田六段が、リベンジに成功した。
2人は昨年、同じ竜王戦決勝トーナメントの1回戦で対戦。この時、当時四段だった藤井七段が史上最多の29連勝を達成し、大きな話題となった。その後、藤井七段は朝日杯将棋オープン戦で中学生初の優勝を果たすなど一気に七段まで昇段したが、対する増田六段も新人王戦を連覇するなどし、20歳にして六段まで昇段。史上5人目の中学生棋士になるのではと期待されていた新鋭で、将棋界では2人の天才について「東の増田、西の藤井」と呼ばれている。
対局後、増田六段は「序盤、結構いい感じでペースを握ったと思ったんですが、中盤からまたよくわからなくなってしまって。最後は手厚く指せたのでよかったと思います。(昨年以来の対局に)去年負かされていて、今回はリベンジしたいと思っていたので、勝ててよかったです」とホッとした表情を浮かべた。
増田六段はこの日の勝利で、次局は佐藤康光九段と3回戦で対戦。「次もすごく強い先生なんですが、自分の力を出して頑張りたいです」と意気込んだ。羽生善治竜王への挑戦権を得るには、さらに3連勝し挑戦者決定戦三番勝負を制する必要がある。
敗れた藤井七段のコメント ちょっとうまく攻め込まれてしまって。なかなか自陣がまとまらなくて厳しかったです。また力をつけてここに戻って来られるように頑張ります。(C)AbemaTV