将棋の棋聖戦五番勝負第3局が6月30日、静岡県沼津市の沼津倶楽部で行われ、挑戦者の豊島将之八段(28)が羽生善治棋聖(竜王 47)を破り今シリーズの成績を2勝1敗とした。これで豊島八段は悲願の初タイトルに王手。羽生棋聖は同タイトル10連覇中だったが、防衛すれば達成できるタイトル通算100期にも後がなくなった。
 第1局を豊島八段、第2局を羽生棋聖が勝利して迎えた第3局は、最終盤になっても優劣がはっきりしない大激戦。お互い各4時間の持ち時間を使いきり1分将棋になった後も激しい攻防が続くと、最後はわずかの差で豊島八段が制した。これで2人の通算対戦成績は羽生棋聖の13勝12敗。対局後、豊島八段は「力戦で難しい将棋でした。途中から悪手というか疑問手を指した気がします。次も頑張りたいと思います」と、静かな口調で話した。