6月30日のKrush後楽園ホール大会では、トリプルメインイベントで3階級のタイトルマッチが行なわれ、2階級で王座移動という劇的な展開となった。
トリプルメイン第1試合では、松下えみがミドルキックからのパンチを軸にした闘いで443に判定勝ち。女子アトム級(-45kg)王座防衛を果たした。
続くバンタム級(-53kg)タイトルマッチで王者・軍司泰斗に挑戦したのは新鋭の金子晃大。プロ5戦5勝という勢いのある選手だ。キャリアからしてK-1でも連勝中のチャンピオン有利に思えたが、金子は大健闘。
序盤から右を中心にパワフルなパンチを打ち込み、ボディへの攻撃も使って軍司を攻略、手数で上回っていく。しかし軍司も反撃を見せてペースを譲らず、試合は延長戦へ。
ここで王者が地力を見せるかに思われたが、さらにターボをかけたのは金子だった。パンチにヒザ蹴りを混ぜつつ、相手の攻撃で出血しても動きが止まらない。軍司の反撃にもひるまなかった金子はついにダウンを奪取、文句なしの勝利で新王者となった。
キャリア6戦で戴冠を果たした金子は、試合後も「今回は凄え本気出しました。これを機に僕のこと覚えてください」とフレッシュにアピール。
そして最終試合、郷州征宜に島野浩太朗が挑んだスーパー・フェザー級(-60kg)タイトルマッチもKrushらしい熱戦に。
圧力をかけてくる郷州に対し、島野もパンチを返していくという展開。パンチの迫力、クリーンヒットで島野がやや上か、という内容で、ジャッジは3者とも島野を支持した。
島野がKrush王座に挑戦するのは、2014年11月以来。それ以降K-1にも出場、思うような結果を出せない時期もあったが、狙い続けたベルトをついに掴んだ。
「またこのリングで壊し合いを」と新王者・島野。結果、この日は古参と新鋭がチャンピオンになった形だ。
もちろん、新チャンピオンの誕生によってタイトル戦線が活性化するのは確実。次期挑戦者に名乗りを上げるべく燃えている選手も多いはずだ。劇的な王座交代は、さらなるドラマを呼ぶことになるだろう。