パンクラスが7月1日に開催した新木場スタジオコースト大会で、長南亮率いるTRIBE TOKYO MMAの選手たちが大一番に臨んだ。
PRIDEやUFCに参戦、“殺戮ピラニア”の異名で知られた長南の愛弟子たちもまた、アグレッシブなファイトスタイルが持ち味。まずはフライ級5位の小川徹がタテキ・マツダをパンチでダウンさせ、パウンドを連打して1Rでレフェリーストップ勝ち。
第6試合では、若松佑弥がマモルと対戦した。若松は今年2月に仙三が持つフライ級王座に挑戦し、壮絶な打撃戦の末に敗れている。今回は修斗とパンクラスでベルトを巻いた41歳のベテランとの対戦で、再起戦ながら大きな試練と言えた。
しかし若松は序盤からマモルを圧倒。ジャブを軸に鋭いパンチをヒットしつつ、相手のミドルキックは巧みに距離を外してみせる。完全にペースを握った若松は2Rに入るとラッシュ。距離を詰めての連打を見せ、マモルをダウンさせるとさらにパンチを浴びせてスタンド状態でTKOとなった。
会心の勝利を収めた若松は「ベルトも獲りたいですけど」としつつアジア最大規模のMMAイベント「ONE Championship」への参戦をアピールした。会場に視察に訪れていたONEのチャトリ・シットヨートンCEOは若松のポテンシャルを絶賛。「必ず契約する」とコメントしていた。
そしてメインイベントでは、佐藤天がウェルター級王座決定戦でブラジルのグライコ・フランサと対戦。キャリア14戦13勝1敗、現在は連続KO勝利中で絶好調の佐藤は得意の打撃で攻勢。しかしフランサもしつこく組みついてテイクダウンを狙っていく。
激しいペースの奪い合いの中、佐藤は3Rに打撃でKO寸前まで追い込むが、ここでフランサが驚異の粘りを発揮。バックからチョークを狙う。
この試合はタイトルマッチのため5R制。体力の限界が近づく中、フランサは4Rにテイクダウンを決めるとバックからチョーク。これで佐藤はタップし、新王者はフランサに。互角の勝負を見せた佐藤だが、元UFCファイターの底力、世界の壁に阻まれた試合だった。
国内での出世争いはもちろんのこと、いかに外国人に勝つかが問われるのはどのスポーツでも同じこと。その意味でも、ONE参戦を希望した若松の今後には注目したいところだ。