芸能界の中でも有数の相撲好きと知られるお笑い芸人はなわが、相撲について「死ぬほどお世話になっている」と真っ先に名前を挙げる人物がいる。元大関・武双山の藤島親方だ。はなわがファンでものまねもしていた元横綱・武蔵丸の弟弟子で、現役時代は迫力のある相撲で人気を博した。「親方になっても男気というか、人間力というか、かっこいいっすね」と絶賛するはなわに、藤島親方や相撲界の魅力を聞いた。

小学生時代、相撲クラブに所属し、将来は力士を目指していたはなわ。「腕力には自信があって、先輩を投げ飛ばすのが快感でしたね」と笑った。3兄弟の次男として生まれ、1つ下の弟は、お笑いコンビナイツの塙。「年子なのに力は雲泥の差で、僕の方が強かった。だから弟は、しゃべりが達者になったんじゃないですか」と、また笑った。
その後、柔道の道に進み「それなりに結果を出したら相撲の世界に入ろうと思った」が、腰を痛め、故障を抱えながら競技を続けたところ、激しく頭を打ちつけ入院、記憶喪失にもなったことから、親が心配することもあり柔道も相撲も諦めた。
それでも相撲は好きだった。芸人になった後は、ファンだった武蔵丸のものまねをネタにした。その後に出会ったのが元武双山・藤島親方だ。「相撲のことをいろいろ教えてもらいましたよ。部屋に行ったらちゃんこを食わしてもらったり、稽古を見せてもらったり。親方のおかげで、相撲の世界の仕事もさせていただいている感じですね」と感謝しきりだ。
はなわ自身、腕っぷしには自信があっただけに、全国の力自慢が集まる相撲の世界は、今でも憧れだ。「相撲って、各地域の一番強いやつが集まっている気がするんですよ。自分の力が溢れちゃって、それをどこかで発散しないとやっていけない者の集まりというか。その中で君臨していくっていうのはかっこいいですよね」と、まわしだけ締めて、シンプルに「誰が一番強い男か」を、今なお伝統を重んじた雰囲気の中で決めていく世界観を愛しているという。それだけに藤島親方との交流は、ヒーローと語ることと同意なのかもしれない。
3横綱1大関が休場し、例年以上に“荒れる名古屋場所”は、藤島部屋が所属する出羽海一門の関脇・御嶽海(出羽海)が優勝争いの先頭を走り、ニューヒーロー誕生を予感させる展開になっている。この暑い夏、一番強い男が決まる瞬間を見れば、はなわに流れる戦いを求めた血も、また熱く騒ぎ出すはずだ。
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