7月19日から4日間の日程で行われている「第147回全英オープンゴルフ」が間もなく最終日を迎える。賞金総額1200万ドルにおよぶ「技と知能を競い合う」世界最高峰のゴルフトーナメント大会を制するのは、一体誰になるのか？ そして、全英オープンゴルフがゴルファーを惹きつける理由、魅力は何か？ 自身も出場経験のある深堀圭一郎氏に話を聞いた。
「舞台がゴルフ発祥の地であることはもちろん、カーヌスティゴルフリンクスゴルフコース自体に百十数年の歴史があります。途中に改修が入ったことで休みはありますけど、全英のトーナメントも今年で147回目。その歴史を経て色々な経験や人々の思いが詰まっているリンクスは、その場に足を運ぶだけでも、独特な楽しみ、独特な印象があります。全米オープンゴルフにも出場したことはあるのですが、どちらかにもう一度出場していいと言われたら、間違いなく全英オープンゴルフへのチャレンジを選択しますね」
そう切り出した深堀氏はさらに続ける。
「日本選手にとって、メジャー大会の中で最もフィールドが合っているとされる大会。ミスがミスになったり、またならなかったりというゴルフの難しさを受け入れながら、組み立てていくのがリンクスで求められるゴルフ。よって、日本人の我慢強さはリンクスに適しているんです」
出場するゴルファーの全てが“忍耐を強いられる”というリンクス。その理由はコース設定にあるという。
「まずバンカーが蛸壺状であること、そして刈り方こそ区別していますが、グリーンとフェアウェーの芝が同じなんです。そのためグリーンで遠いところからパターで転がしてタッチが合わせられる面白さがあれば、逆に（起伏も含めて）届くと思った一打が届かなかったりもする。とにかく思い通りにならないことを受け入れながらのゴルフが続きます。150ヤードをきっちりキャリーで打てる選手が勝てるというわけではない。上なのか、転がすのか、間なのか……。攻め方に関して、他のコースとは全く異なる発想、視点で臨まなければいけない。それがリンクスです」
1日の中に四季がある過酷な環境
リンクスと言えば、激しい気象変化も特徴に挙げられる。そのことについて深堀氏は、自身の経験も踏まえて次のように振り返る。
「1日の中で大風が吹いて、大雨が降って、とにかく天候の変化が激しい。ティーグラウンド横の看板の陰に隠れていた丸山茂樹さんの映像なんかも記憶にありますが、私も98年に初めて出場した時、2日目の16番のグリーンでボールが動くほどの強風に遭遇。競技を中断せざるを得ない事態に陥ったことがあります。本来であれば『こんな状況でプレーしたくないな』とネガティブに受け取ってしまいがちですが、『これが全英なんだ』と逆に前向きに、ワクワクしたことを覚えています」
観る人はもちろん、ゴルファーをも魅了する全英オープンゴルフ。今大会日本からは、3日目を終えて3アンダー20位タイにつける宮里優作選手を筆頭に過去最多タイとなる10人が出場。中でも注目を集めた松山英樹選手は惜しくも1打及ばず、自身2016年の全英オープン以来となるメジャー予選落ちに終わっている。日本人悲願を託された松山選手の残念な結果について深堀氏は「パッティングの流れが掴み切れず、流れとツキを味方にできなかった」と分析した。
「高い次元を目指し、様々な試みをする中での難しさもあったと思うが、初日から見ていてパッティングの流れが掴めていなかった。それがショットにも影響を及ぼして不安と課題が次々と出てきてしまったという印象。その中でミスも重なるなど、流れとツキが無かった。仮にパットが決まってリズムができていれば、もう少し落ち着いたゴルフを展開でき、また違った結果になっていたはずなので残念です」
なお深堀氏が「ゲームがバタつかない。歩くスピード、ショット、パットのすべての動作が安定している」と話し、今大会の注目選手に挙げたブルックス・ケプカ選手（米）は3日目を終えて3オーバーの61位タイ。9アンダーで首位に並ぶジョーダン・スピース選手（米）ら、さらに5アンダーで6位タイ、同大会4度目の優勝を目指すタイガー・ウッズ選手を追う苦しい展開となっている。
AbemaTVでは、深堀圭一郎氏を解説に迎えて全英オープンゴルフ最終日の様子を日本時間22日（日）19時から完全無料で生中継。2015年以来3年ぶりとなる参戦で、同大会4度目、メジャー15回目の優勝を目指すタイガー・ウッズの大逆転はあるのか？ 日本人選手の奮闘ぶりも含めて注目が集まる。
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7/22 19時から放送 全英オープンゴルフ2018 AbemaTVスペシャル最終日
