将棋の羽生善治竜王(47)が深浦康市九段(46)に8月8日、順位戦A級2回戦で、142手で勝利し、今期の順位戦A級初勝利(1勝1敗)を挙げた。午前10時から対局の終了時間は、日付が変わり9日の午前0時46分。同一対戦カードとしては現役5位となる通算80局目は、深夜に及ぶ大熱戦となった。
 2人の対局は、お互いの持ち時間の6時間を9日午前0時15分に使い切ると、そこから1分将棋で30分以上続く展開に。押されていた羽生竜王が、一瞬のすきを見逃さず、大逆転で白星をもぎ取った。羽生竜王、深浦九段ともに将棋界を長きに渡り引っ張るトップ棋士だが、お互いの死力を尽くした熱闘で、終局後にはお互い深くため息をつき、疲労困憊といった様子だった。