将棋の最年少棋士・藤井聡太七段(16)が8月24日、棋聖戦一次予選2回戦で女流棋界の第一人者・里見香奈女流四冠(26)と対戦し、82手で勝利した。藤井七段が公式戦で女流棋士と対局したのは、今回が初。過去には、棋士養成機関である「奨励会」三段リーグ時代に対戦し、この時は藤井七段が勝利していた。
藤井七段は2016年4月から奨励会の三段リーグに参加。1期抜けを果たし、同年10月に史上最年少での四段昇段を果たしたが、この時の三段リーグで当時奨励会に所属していた里見女流四冠と対戦していた。その後、里見女流四冠が年齢制限により、奨励会を退会。2016年7月以来、約2年ぶりの対局となっていた。序盤は里見女流四冠にペースを握られていたが、持ち時間がなくなってから一瞬の切り返しで、一気に形勢逆転。持ち前の切れ味の鋭さを見せた。
この勝利で、藤井七段は棋聖戦一次予選3回戦に進出。プロ入り後の通算成績では102局で87勝15敗、今期に限っても16勝3敗とし、勝率8割超えの快進撃を続けている。対局後は「少しちょっと序盤で(時間を)使い過ぎてしまった。(里見女流四冠と2年ぶりの対局に)序盤で、なんとかうまく指されたというか、中飛車を指し慣れているのが伝わってきました。里見さんは、他の棋戦でも活躍されている。対局して序盤で苦しめられたので、手強いという印象を持ちました」と語った。
また敗れた里見女流四冠も、今期は女流棋士としては史上最多タイの対男性棋士3連勝などを記録していたが、「先手番だったので、先手をいかした序盤戦にはできたかと思うんですけど、ただちょっと…中終盤で間違えてしまったのがちょっと悔やまれます。藤井七段の方は、あっという間に上に駆け上がられて、なかなか対局することのできない方だと思っていましたので、対戦するのはすごく楽しみにしていました」と振り返った。
(C)AbemaTV