トッププロが集う麻雀リーグ「RTDリーグ 2018」の準決勝が、9月1日からスタートする。2017年、RTDリーグに初出場するも予選敗退と辛酸を舐めた内川幸太郎(連盟)は、雪辱を果たすべくRTDリーグ 2018に臨み、BLACK DIVISIONを4位で通過した。「今年は開幕からよーいドンでトップにこだわる」と開幕戦を迎えたが、決意とは裏腹に開幕から4連敗と苦しんでからの大逆転だった。
予選20回戦終了時点では▲336.3ポイントまで沈んだ。「まさか残れるとは。予選が半分終わった頃には準決勝は諦めて、残留争いをしなければいけないなと。開幕4連敗でしたからね」と、他のどの選手よりもいち早く、降級システムを意識せざるを得なかった。
残留争いを意識してからはトップにこだわらなくなった。「開幕当初は鳴いてアガれそうな手牌でも、メンゼンで頑張って8000点にしてトップ取りを目指していたんです。正直4位も3位も一緒だという気持ちで最初の2節ぐらいはやってました」と序盤でラスを量産してしまった心境を振り返った。
しかし、開幕4連敗には間違っているところが必ずあるはずだと思い直し、開幕戦からの映像をすべて見返した。「アガれそうなチーテンも取っていなかった」とトップ取りを意識し過ぎていたことを改めて実感した。
ただ途中から戦い方を変えるのは勇気がいることだ。「マイナスが300を越えたあたりから150を目指しました。150だったら6位か7位で勝負になる」と意識を切り変えた。
この意識転換が功を奏し、自然にトップが取れるようになっていった。具体的には「序盤で点数を持つことを心がけました。東場でいきなり満貫を狙うのではなく、1翻下げる意識で、鳴いて3900点でアガってからいざ勝負という戦い方がよかった。勝負所を早くするイメージです」と元来の後半勝負型を、前半勝負型にシフトしたのだ。
周りからの対応も変わっていった。「最下位にいた時はみんな優しくしてくれたんですけど、マイナス200台ぐらいにまで復活してきた時はマークされていました。誰もが8位は決めたままにしておきたいので『上がってこなくていいよ』みたいな。でもその頃、すごくツイてたので自力で上がれちゃったんです。村上(淳)さんと着順が変わってからはマークが外れたなって感じていました」と振り返った。
マークされるとは「ボーダー以下で競っている選手にとっては、上位陣のポイントは関係なく、各自の条件によってアガる人が選ばれたりすること」を指すそうで、特にオーラスに出やすいという。実際、予選中盤以降はアガリ回数が増え、最終的にはアガリ率21.41%と小林剛に次ぐ第2位の数字を残している。
初の準決勝に向けては「すべての対局者が直接対決となる。10回戦もあれば、200ポイントぐらいは逆転できます。決勝に進むためには泥臭かろうがなんだろうが、なりふり構わず上だけを見ます」と意気込んだ。【福山純生(雀聖アワー)】
◆内川幸太郎(うちかわ・こうたろう)1981年5月6日、長野県生まれ、O型。日本プロ麻雀連盟所属。異名は「手順マエストロ」。
【RTDリーグ 2018準決勝進出者の持ち越しポイント】
1位 小林剛(麻将連合)+630.3→315.2
2位 鈴木たろう(協会)+520.1→260.1
3位 勝又健志(連盟)+307.4→+153.7
4位 瀬戸熊直樹(連盟)+218.3→109.2
5位 佐々木寿人(連盟)+200.5→100.3
6位 白鳥翔(連盟)+161.7→80.9
7位 内川幸太郎(連盟)+54.1 →27.1
8位 猿川真寿(連盟)▲139.6→▲69.8
※連盟=日本プロ麻雀連盟、協会=日本プロ麻雀協会
◆RTDリーグ サイバーエージェント代表取締役社長・藤田晋氏が、2016年に立ち上げた長期リーグ戦。各団体のトッププロ15人に加え、芸能界から萩原聖人が参戦。「BLACK DIVISION」「WHITE DIVISION」に分かれ、1人半荘27回戦を行う。上位4人ずつがポイントを半分持ち越して、準決勝に進出。さらに勝ち抜いた4人がポイントをリセットして決勝で争う。今期から新たに降級システムが導入され、各組予選8位は自動降級、各組予選7位は推薦者2人と入れ替え戦を行う。
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