北朝鮮で拘束されてから17日が経った今月28日、東京都内在住の映像クリエーター・杉本倫孝(ともゆき)さんとみられる男性は、他の乗客とは別のルートで飛行機を降り帰国した。
中国に拠点を置くイギリス系の旅行会社を通じて北朝鮮に入ったという杉本さん。実はこの旅行会社は、北朝鮮で拘束され昨年開放されたものの昏睡状態で帰国し、その後死亡したアメリカ人、オットー・ワームビアさんも利用していた会社だった。
杉本さんは、その会社のツアーで北朝鮮の公安都市・南浦(ナンポ)を訪れダムなどを撮影したというが、そこでスパイ容疑で取り調べを受けた。北朝鮮関係者によると、「カメラを没収し分析した結果、方向と角度を変えておよそ1km離れた軍事施設地域を数十枚撮影した物証を発見した」と説明。杉本さんは本当に軍事施設を撮影したのか、本人は沈黙を守ったままだ。
国交のない北朝鮮に行き拘束されるという出来事は特殊なケースのように思えるが、実は現在、日本人の北朝鮮への旅行は難しいことではない。少女が踊る動画、大きなウォーターパークを映した動画、自然な表情を見せる人々の写真。これらは、今月に北朝鮮を旅行した藤本正樹さんが撮影したもの。旅行は杉本さん拘束直後のことだという。
29日放送のAbemaTV『けやきヒルズ』では、その藤本さんに話を聞くことができた。今月12日から16日まで北朝鮮を訪れていたという藤本さんは、杉本さんの拘束を入国直前に知ったという。
「知った上で北朝鮮に入り、さすがに少しだけ不安に感じたところはあった。ただ、事前にどういったことに気をつけるべきかなどは聞いていたので、そこまで不安ではなかった」
藤本さんが北朝鮮を訪れた理由は元々バックパックで世界中を回っていた経験からで、「北朝鮮にしっかりと入る方法が確認できたので実際に行ってきた」という。現地では観光ガイドがついていたそうで、「こういった場所にはこういった歴史があるとか、この建物は高さがいくつだとか、普段どこかに観光に行った時にガイドしてくれるような感じ。恐らく一般の人で、服装は普通で雰囲気も厳しいものではなく旅行会社の人というような感じだった」と話す。
そんな中、杉本さんが拘束されたことについては「私が回って危険なところはなかったし、写真を撮る時とかそっちに行って大丈夫かなど、一つひとつガイドの許可を取ってから動くようにした。いろんなことがある国であることは十分わかっていたので、そこは問題にならないように向こうのルールに合わせて動くことは意識していた」と説明。また、自身が世界を回ってきた経験から、「たくさんの国に行った中で、写真を撮ってはいけない場所があるというのは当たり前のこと。その時にルールを守っていれば、そんなに咎められることはない。どういうところなのか事前に確認しておくのは絶対に必要」と述べた。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
Abemaビデオ▶北朝鮮で拘束されていたとみられる男性、帰国時の映像
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