<大相撲秋場所>◇二日目◇10日◇東京・両国国技館
今場所で130場所目を迎えた十両筆頭・安美錦(伊勢ヶ浜)と、9場所目の矢後(尾車)が、立ち合いの駆け引きで、片方が仕切りの体勢に入ると、もう片方が立ち上がるといった“アップダウン”の珍現象を起こした。
この日、十両最後の取組となった一番で、時間いっぱいになると安美錦が先に両膝に手を置き、仕切りの体勢に入ろうとしたが、矢後は思うところがあってか、立ったままでなかなか仕切りに入れない。12秒ほど経過して、ようやく矢後が心を決めたが、今度は安美錦がスッと背を伸ばしてしまった。今度こそと安美錦が構えたが、矢後も再度背を伸ばし、やり直しに。このぶつかる前の無言の駆け引きに、館内のファンからは歓声と拍手が起きていた。