20日に両国国技館で行われた大相撲秋場所の十二日目、前頭五枚目の妙義龍(境川)が前頭九枚目・北勝富士(八角)を引き落としで破って勝ち越しを決めた。
一度の“待った”を経て立った両者は、激しい突っ張りの応酬を見せる。妙義龍が引いたことで均衡が崩れると、北勝富士が前に出て妙義龍を土俵下に突き落とした。しかし、勝負が決する直前に妙義龍が体を捻ると、北勝富士も前のめりになってほぼ同時に倒れ込んだ。立ち上がった北勝富士のお腹に付着した大量の砂が画面に映し出されると、物言いがつけられた。
審判員が土俵に上がり、円になって協議を始めるとAbemaTVで解説を務めていた元関脇・北勝力の谷川親方が口を開いた。
「審判長はビデオ室と会話ができるんですが、土俵下で見るのが一番わかりやすい。話し合ってくれるのは嬉しいですが、この時に、土俵下の力士には(協議の内容が)聞こえているんですよ。私が現役の時は、『自分に有利なように話を進めてくれ』と心の中で祈りながら、審判員の顔をじっと見てアピールしていましたよ。覆ったことは一度もありませんでしたけど」
この告白に反応したのはAbemaTVの視聴者。コメント欄には「声が聞こえるんだ」など意外だったことを示す内容から、「じっと見てアピールww」「効果ゼロw」などアピール発言に関する反応が寄せられていた。
なお取り直しとなった一番は、引き落としで妙義龍の勝ち。北勝富士は再び、大量の砂をお腹につけることになってしまった。
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