一斉に向けられたライトに、思わず高宮まり(連盟)は無表情で立ち上がってしまった。「光がまぶしくて、びっくりしたんですよ。まさか指名されるとは思わなくて…」。いよいよ10月1日に開幕する麻雀プロリーグ「Mリーグ」で、高宮はKONAMI麻雀格闘倶楽部のメンバーとして卓に向かう。グラビアなどでも活動する人気女流雀士が「少し大きくて…」と笑ったスポーツウェア風のユニフォームを着て、どんな戦いを見せるのか。
8月7日のドラフト会議は、すっかり「観戦者」の気分でいた。「いつかはMリーグに入れるように頑張ろうと思っていたくらいで。せっかくだからどういう風に行われるか、後学のために現場で見ておきたい、くらいだったんですよ」と、会場の演出をあちこち見回していた。ところが蓋を開ければ、2位指名でMリーガーの仲間入り。後学どころか、先駆者になった。
KONAMI麻雀格闘倶楽部とは、同名のゲームタイトルで縁が深い。同タイトルで行われる人気投票企画「投票選抜戦」では、2014年から日本プロ麻雀連盟の女流プロでトップの人気を誇り続けている。「コナミさんとは初めてのお付き合いではないので、安心できますね。チームメイトの前原雄大プロや佐々木寿人プロも、私がプロに入ったころ活躍されている先輩方なので、すごく心強いです」と、気心知れたメンバーと戦えることが、誰もが未体験の「Mリーグ」への恐怖心を薄めている。
麻雀は分かりやすいほどの攻撃派。他の先輩2人も攻撃派なため、相手をねじ伏せるがごとく攻撃し続ける戦い方になるのが予想される。また「魅せる戦い」への意識も強い。多くの人にボディラインを見せる仕事をしていることもあってか「人に見てもらえている分、いろんなアプローチの方法はあると思っています。インタビューとかも増えているんですけど、そんな中でしっかりといろんなことをアピールできたらうれしいですね」と、男性プロにはない華やかさでチーム、MリーグをPRする。次に多くのライトが高宮に向けられるのは、チームを王者に導いた勝利の女神となった時だ。
◆高宮まり(たかみや・まり)1988年11月8日、茨城県生まれ。O型。日本プロ麻雀連盟所属。主な獲得タイトルは第11回女流モンド杯、第8期夕刊フジ杯争奪・麻雀女王決定戦(個人戦)、第一回女流プロ日本シリーズ他。DVD「高宮まり 女神降臨」他。異名は「淑女なベルセルク」。
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