総勢21人が指名された初代Mリーガーには、女流プロが5人いる。そのうちのひとりである魚谷侑未(連盟)は、セガサミーホールディングス株式会社のチーム「セガサミーフェニックス」からドラフト1位指名を受けた。

 麻雀をはじめ、将棋、囲碁、eスポーツといった頭脳スポーツは男性が強いと言われることもある。これに対して魚谷は「女性だから弱い、女性だから勝てないと思われている方にも、麻雀に男女の差は無く、個人の差であることをきちんと証明出来るよう結果でお応えしたい」と男女混合で戦える新たなステージに感謝をしつつ、並々ならぬ強い決意を見せた。

 魚谷が言い切る理由のひとつに、獲得してきたタイトル歴がある。女流プロ同士で戦う第6、7期女流桜花、第10、12回女流モンド杯の他に、男女混合で戦う第9、11、12モンド王座、そして第16回日本オープンだ。

 これまでに、男女混合の競技麻雀でG1級のタイトルを獲得した女流プロは、2001年・第27期王位の清水香織(連盟)、2006年・第17期プロ最強位の二階堂瑠美(連盟)、2017年・第26期麻雀マスターズの佐月麻理子(協会)、そして2018年・第16回日本オープンの魚谷、第13回オータムチャンピオンシップ&第12 期RMUクラウンの朝倉ゆかり(協会)と過去5人(2018年9月現在)。

 そしてもうひとつの言い切れる理由が、競馬界で注目されている藤田菜七子騎手の活躍がある。かつて魚谷は麻雀プロになる以前、騎手を目指していた。15歳の時に競馬学校を受験するも不合格。その後「やっぱり馬の道に行きたい」と、高校卒業後に1年間、乗馬倶楽部の研修生として、馬の世話をしながら再受験を目指していた。

 中央競馬のジョッキーは20歳までしか試験を受けることが出来ない。「再受験を目指し、馬の道に進みたいと、そのことしか考えていなかったにもかかわらず、女性騎手も数人しかいない状況。今は藤田菜七子騎手の登場で時代も変わった気がするんですが、当時の競馬界の雰囲気はまさに男社会。自分はこの世界には向いていないんじゃないか。仮になれたとしても、大した活躍もできずに終わっちゃうんじゃないかと思い、挫折しちゃいました」と男女混合の壁を感じていた過去があった。

 麻雀界も女流プロが活躍しているとはいえ、男性上位の傾向はある。だからこそ魚谷は「勝ち負けはもちろん大事だけれど、対局を通して熱いものが伝わるよう、一打一打に思いを込めて打てる個人であり、チームでありたい」と意気込み、Mリーグの目標としてチーム優勝、さらに個人ではベスト5、最高でMVPを掲げている。

 10月1日、セガサミーフェニックスは開幕戦を戦う選手を魚谷侑未と先発予告した。麻雀に男女差はないことを証明すべく魚谷は、Mリーグという大舞台の最高峰に向かって力強く飛翔する。【福山純生(雀聖アワー)】

◆魚谷侑未(うおたに・ゆうみ)1985年11月2日、新潟県生まれ。B型。日本プロ麻雀連盟所属。主な獲得タイトルは第6、7期女流桜花、第10、12回女流モンド杯、第9、11、12モンド王座、第16回日本オープン。著書は「ゆーみんの現代麻雀が最速で強くなる本」。異名は「最速マーメイド」。

(C)AbemaTV

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出演者は、赤坂ドリブンズ、セガサミーフェニックス…です。

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