危険で、なおかつ胸躍るビッグカードが決定した。11月3日のK-1さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ大会のワンマッチとして新たに発表されたのはジョーダン・ピケオーvs木村“フィリップ”ミノル。
(10月1日の記者会見。対戦が決まったピケオーと木村)
ピケオーはKrushのスーパー・ウェルター級(70kg)チャンピオンであり、木村はウェルター級(67.5kg)王者。Krushの王者対決がK-1のリングで行なわれることになる。今回の契約体重は68kgだ。
10月1日の会見で発表されたこの一戦は、前日のKrush王楽園大会でピケオーが王座防衛に成功し、アピールしたもの。木村にも異論はなく、すぐに正式決定、発表となった。
「間違いなくいい試合になる。木村は対戦相手として完璧だ。前に出てくるファイトスタイルだからね。自分から前に行く必要もないだろうね。その場に立って打ち合うだけだ。確実にKOで終わる」
Krushの一夜明け会見直後に行なわれたK-1の会見。その席上でピケオーはこう語った。誰もが認めるアグレッシブファイターとの対戦に、喜びが抑えきれないといった雰囲気だ。
対する木村は、上の階級のチャンピオンとの対戦だけに「厳ししチャレンジになる」とコメント。それでもピケオーの防衛を見て「めっちゃ強かった。完璧な勝利だったと思う。燃えました」。そして「壁をぶっ壊しにいく」と力強い言葉も。
木村はK-1、Krushで活躍する選手の中でも限られた“世界レベルのキックボクサー”としてピケオーを称えており、いわば“本物”同士の闘いを見せたいというのが最大のモチベーションのようだ。曰く「僕の格闘技観を見てほしい。自分が思う“これが格闘技”というものを出さないと。その使命感もあります」。
ピケオーの対戦アピールで決まった試合だが「舌戦したからどうこうとか、今はあまり好きじゃないですね」とも語った木村。かつては舌戦を仕掛ける側だったが、多くの選手が“毒舌”や“ビッグマウス”や“乱闘”で注目されようとすることに「いい方向じゃない」と苦言を呈している。本当に憎み合っているのならともかく、盛り上げるためにやるとのは「フェイク」というわけだ。
目指すのは世界レベル、“本物”の闘いを見せること。隙のないファイトスタイルも含め、独自の高みに達しつつある木村だからこそ、ピケオー戦の価値はさらに増すことになる。
文・橋本宗洋