プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」10月12日の1回戦が行われ、EX風林火山の滝沢和典(連盟)が、チーム初勝利となるトップを取った。全7チームの中で、唯一トップが取れない苦しい状況の中で、滝沢は攻守のバランスを保った冷静な試合運び。さらには自身2度目となる役満テンパイを見せるなど、大いに盛り上げた。一時は不振に陥ったイケメン雀士の初トップに、視聴者からは「タッキー」コールが巻き起こった。
ようやく優しげな笑顔が見えた。自分もチームも、とにかく欲しかった初勝利。「必要以上に緊張しちゃって」と、卓についてもざわつく心を少しずつ静めると、落ち着きとともに打ち回しも冴えを見せた。東1局1本場で東・ドラ2の3900点(+300点、供託2000点)を稼ぐと、東3局には役満・四暗刻のテンパイ。惜しくもツモることは出来なかったが、開幕戦の大三元テンパイに続く超大物手を引き込む力に、ファンの心も躍った。
南場に入ると、トップ争いは朝倉との一騎打ち。勝負どころの南2局2本場でリーチ・ドラ3の8000点(+600点、供託1000点)を獲得。これで朝倉に200点差と肉薄すると、オーラスの親番でも加点。際どい勝負ながら、しっかりと逃げ切り勝ちを収めた。
麻雀界大注目の開幕戦で、苦い思い出が残った。親番の際、第1ツモを取り忘れる少牌のミスを犯した。晴れの初トップのインタビューでも、最初に発したのも「とりあえずホッとしました。最初に少牌をしてしまって、見ている方と関係者の方に本当に申し訳ない気持ちでした。そのままずるずる行ったら、先はないなと思っていたので」という言葉だった。また、ここ2年ほどは本来の自分の力には程遠いスランプにも陥ったこともあった。それでもイケメン雀士の人気は抜群。復活劇にAbemaTVのコメント欄は、滝沢がアガる度に相性の「タッキー」の言葉が無数に寄せられた。
滝沢にとっては今日がようやく踏み出せた第一歩。まだMリーグでは役満が出ていないが、2度テンパイしただけに、初役満に一番近い位置にいるかもしれない。3度目の正直で、最大級のアガリを見せた時、コメント欄はこの日以上に「タッキー」の言葉で埋め尽くされる。
【1回戦結果】
1着 EX風林火山・滝沢和典(連盟)3万5800点/+55.8
2着 U-NEXT Pirates・朝倉康心(最高位戦)3万1800点/+11.8
3着 渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)2万1300点/▲18.7
4着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)1万1100点/▲48.9
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は10月で翌年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。