
10月17日から埼玉県・太平洋クラブ江南コースにて開催されるAbemaTVツアーの第11戦「太平洋クラブチャレンジトーナメント」に、プロ野球通算27年で3021試合に出場(日本歴代1位)し、2108安打を放った谷繁元信氏の参戦が決定。予選突破の明言は避けるも、「2日間ともにスコア70台でラウンドする」ことを目標に掲げた。
「競技は違っても同じプロの世界に身を置いていた人間として、ゴルフのトッププロを目指すゴルファーたちのプレーを間近で見てみたいという気持ちが強くなった」
そのように参戦を決意した理由を語った谷繁氏は、「現役時代からゴルフは好きでしたが、本格的に取り組むようになったのは現役を引退してから。ここ2年間で練習量もかなり増えました」と話すと、ゴルフの魅力については「練習すればするほど、色々なものが現れてきて……そのたびに気づきを得ています」と続けた。
2000本安打を達成するなど、野手として、捕手として一流の結果を残した谷繁氏だが、野球とゴルフの違いについて問われると、冷静に持論を展開した。
「野球の場合、打者でいえば、3割を打てば一流。僕は二流だったので、通算打率が2割4分ほどでしたけど(通算20121試合出場で2108安打)。それがゴルフでは、今回参加するAbemaTVツアーで3日間、トップツアーだと4日間もの間、成功が8割でも9割でも優勝できない。ほぼ10割でなければダメという難しさがあります。その奥の深さが、野球とは異なるゴルフの面白さです」
現状、普段のラウンドでの成功率は6割程度。ベストとなる「69」を出した時でも8割ほど。苦戦は承知の上での参戦となるが、「私の経験上、昔のプロは最初から教えてもらえるわけでもなく、“見て盗め”と言われていました。だからこそ、一緒にプレーをして、見て、何かを盗みたい。2日間ともにスコア70台でラウンド回れれば」と抱負を語った。
ドライバーの飛距離は270ヤードほどで、元プロ野球選手としては「やや控えめ」という自己分析だ。一方の課題については傾斜地での対応を挙げ「普段は平坦で練習することが多いが、実際には何らかの傾斜地で打つことになる。これは数をこなすしか上達の方法はなく、そこの経験値が他の選手との一番の違い」とした。
予選突破の可能性について話しを振ると「決勝に進むなんて、そんなことは言えないですよ(笑)。そこの目標設定は、ちょっと……。相手はプロ。そこの差はわきまえているつもりです」と自重気味に振舞った。ゴルフファンはもちろん、野球ファンの温かい声援を求めた谷繁氏、その戦いぶりに注目が集まる。
◆AbemaTVツアー(旧チャレンジトーナメント)とは
賞金ランキング65位以内のトッププロが参加するレギュラーツアーへの登竜門。過去に片山晋呉、小平智などが優勝を果たし、プロゴルファーとしての輝かしいキャリアをスタートさせている。3月30日から始まる「Novil Cup」を皮切りに全12試合が行われ、成績上位者20名(昨季までは7名)にレギュラーツアーへのシード権が与えられる。
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