10月1日に開幕を迎えた麻雀プロリーグ「Mリーグ」。試合前に行われた開幕式では、一般社団法人Mリーグ機構・川淵三郎最高顧問が「五輪競技の正式採用に向けて国際交流を深めていきます」と宣言した。まさにその布石とも言えるMリーグのパブリックビューイングが話題となっている。
10月19日に放映されたNHK番組「あさイチ」では、ゲスト出演した俳優・新井浩文が参加したパブリックビューイングの模様が取り上げられる等、まるでスポーツ観戦のような盛り上がりを見せているのだ。
初の一般販売によって開催された10月11日の回には、約150人収容の会場は満員になった。「いつも家で一人、携帯で見ているんです」とは、TEAM雷電・萩原聖人(連盟)の大ファンという20代女性。「みんなでワーとかキャーとか言いながら会場がひとつになっている雰囲気が面白かったです」と、憧れの萩原とも一緒に写真を撮れたことに感激していた。
会場は東京都心の湾岸エリアに位置する「TABLOID(タブロイド)」。かつて新聞の印刷工場だったことに由来するこの建物にはオープン当初に世界の歌姫、レディー・ガガが訪れたこともあるクリエイティブスポットだ。
「音楽のライブ会場の麻雀バージョンみたい」とは40代女性。天井高14メートルという開放感抜群の環境に「思いっきり歓声を上げられてスカッとした」とのこと。
会社帰りに友人と来ていた30代男性は「麻雀をやったことのない友達も誘いやすい。こういうところに参加することで、麻雀を始めてくれるのではないか」と斬新な試みに胸を躍らせていた。
麻雀好きの30代男性は「彼女が麻雀初心者なんでこれをきっかけに取り込もうかと(笑)。まだ結婚してはいないんですが」と2人で観戦。対局内容はまったくわからなかったという彼女は「解説が初心者向けだったので、試合展開はなんとなく伝わったので、面白かった」と顔をほころばせていた。
競技麻雀の大会にもよく参加している50代男性は「EX風林火山の二階堂亜樹さん(連盟)を応援しようと思って来たんですが、間違えて赤坂ドリブンズのサポーター席に座ってしまいました。周りの人の視線もあって、表面上は鈴木たろうさん(協会)を応援していました」と苦笑した。
そもそも「パブリックビューイング」といえば、さかのぼること1950年代。力道山の空手チョップを見たさに聴衆が押し寄せた「街頭テレビ」が原点で、プロレス中継をはじめ、ボクシング、大相撲に日本中が湧いた時代だ。来年新元号を迎える現在は、麻雀対局番組も増え、その視聴方法は自宅でテレビ観戦、さらにはPCやスマートフォン等で観戦出来るわけだが、麻雀のパブリックビューイングというものはなかった。
Mリーグのパブリックビューイングでは、映画さながらの巨大スクリーンでMリーガーによる生解説と共に対局を観戦できる。さらに試合終了後、当日出場した選手が駆けつけるファンミーティングイベントも開催されている。ちなみに会場ではカレーライスやガパオライスの他、おつまみも販売されている。
11月の2回分まではすでにチケット完売だが、12月以降はまだ販売中。オリンピック競技正式種目に採用された未来を想像しながら「麻雀をわいわい見る」楽しさを体感してみてはいかがだろうか。【福山純生(雀聖アワー)】
◆「Mリーグ」パブリックビューイング概要
会場:TABLOID (http://www.tabloid-tcd.com/access)
開催時間:開場午後6時 試合開始午後7時(午後11時頃終了予定)
収容人数:150人程度
チケット金額:4000円(1ドリンク付)
チケット購入方法:「チケットぴあ」にて販売 http://w.pia.jp/t/m-league/
◆開催予定日程
10月11日(終了)、26日(SOLD OUT)
11月9日(SOLD OUT)、23日(SOLD OUT)
12月7日、20日、21日
1月10日、11日、24日、25日
2月11日、12日
3月2日、9日、23日、24日、30日、31日