涙の初優勝に向けて、大きな首位ターンだ。麻雀・RTDリーグ2018の決勝初日が10月20日に行われ、準決勝を3位で通過した内川幸太郎(連盟)が半荘4回戦でトップ2回、2着1回、3着1回の+111.7の好成績を収めて首位に立った。準決勝2位通過の小林剛(麻将連合)が2位につけたが、その差は88.9ポイント。2度目の出場で雪辱を誓っていた内川が、トッププロ16人の頂点に迫った。決勝最終日は11月3日。
RTDリーグの2年間で、どん底から這い上がった男が決勝の舞台で光り輝いた。1日半荘4回戦、2日間計8回戦で争われる決勝で、いきなり飛び出した。1回戦、準決勝1位通過の鈴木たろう(協会)、2位通過の小林にリードを許したが、親番で迎えた東4局1本場で浮上のきっかけを掴んだ。リーチ・タンヤオ・ピンフ・ドラの1万2000点(+300点)を鈴木から直撃。続いて2本場、小林からピンフ・三色同順・ドラの1万2000点(+600点)と、2局連続の満貫。結局4連続アガリを決めて、あっという間に抜き去り南場は悠々と逃げ切った。
ひたむきに打ち続ける内川に、最後は運も味方した。トップ目の鈴木を2着目で追う状況で迎えた、4回戦のオーラス。手元に次々と索子が押し寄せた。8巡目で清一色・イーペーコーと逆転のテンパイ。さらに次巡で「(切る)牌を間違えた」結果、清一色・リャンペーコーへと変化した。そして直後の9巡目。4索を引き入れて、ツモ・清一色・リャンペーコーの倍満、1万6000点で逆転トップを飾った。
内川がRTDリーグに出場するのは、最下位で苦渋をなめた2017年シーズンに続き、今年で2回目。今年も予選序盤は最下位に低迷し、苦悩の日々が続いた。ファンから心配されつつ、奮起を期待する声を掛け続けれると、徐々に調子は上向きに。中盤以降は順位を急速に上げて準決勝へと滑り込むと、その結果にインタビュー時には思わず涙した。予選通過後には、所属する日本プロ麻雀連盟で十段位のタイトルも獲得。RTDリーグ準決勝でも好調を持続し、予選ポイント持ち越しの中、7位からのスタートをもろともせずに堂々3位で決勝へと進んでいた。
トッププロ16人が過酷な長丁場の予選を戦い、選ばれし4人が頂点を目指す戦いもあと1日、半荘4回戦を残すのみ。内川は「幸運にも2勝できて、首位で2日目を迎えることができます。残り4戦、気合を入れて最後まで戦いたいと思います」と、初日を振り返った。リードを持って迎える最終日。目前に迫る優勝に、今の内川であれば堂々とした打ち筋で突き進む。その先に待つのは、すべてが報われた時の歓喜の涙だ。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、協会=日本プロ麻雀協会
【決勝1日目結果】
1位 内川幸太郎(連盟)+111.7
2位 小林剛(麻将連合)+22.8
3位 鈴木たろう(協会)+12.4
4位 瀬戸熊直樹(連盟)▲146.9
◆RTDリーグ サイバーエージェント代表取締役社長・藤田晋氏が、2016年に立ち上げた長期リーグ戦。各団体のトッププロ15人に加え、芸能界から萩原聖人が参戦。「BLACK DIVISION」「WHITE DIVISION」に分かれ、1人半荘27回戦を行う。上位4人ずつがポイントを半分持ち越して、準決勝に進出。さらに勝ち抜いた4人がポイントをリセットして決勝で争う。今期から新たに降級システムが導入され、各組予選8位は自動降級、各組予選7位は推薦者2人と入れ替え戦を行う。
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