プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」10月25日の1回戦が行われ、U-NEXT Piratesのドラフト1位・小林剛(麻将連合)が自身8戦目にして初勝利を掴んだ。ここまで2着が4回、3着が3回と惜敗続きの小林だったが、この日は高打点の七対子を連発。東場で築いた大量リードを危なげなく守り切った。
対局者は起家から赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)、EX風林火山・滝沢和典(連盟)、U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)、渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)。上位4チームの直接対決で、首位を快走する渋谷ABEMASにどのチームが待ったをかけるのか。はたまたリードを広げられてしまうのか。ファン注目の一戦となった。
小林は東1局から攻勢に出る。6巡目で先制リーチをかけると、追っかけリーチの鈴木、鳴いて手を進めた白鳥と三つ巴の争いに。鈴木がツモ切りした4筒は白鳥のアガリ牌でもあったが、頭ハネ(ルールによりダブロンなし)で小林がリーチ・ピンフ・ドラの3900点(供託1000点)のアガリ。幸先のいいスタートを切った。
見せ場は親番で迎えた東3局1本場だ。小林はわずか5巡でドラ2枚入りの七対子をテンパイして即リーチ。終盤に残り1枚のアガリ牌をツモると、裏ドラが乗ってリーチ・ツモ・七対子・ドラ4の倍満までジャンプアップ。2万4000点(+300点)を加点し、完全に試合の主導権を握った。
この日の小林はこれでは終わらない。東4局でも七対子をテンパイすると、今度は放銃のリスクを考慮してリーチをかけずドラの5索の単騎待ちに構える。するとその後、まるで吸い寄せたように赤牌の5索を見事に引き上げ、ツモ・七対子・ドラ3で1万2000点を上積み。運や流れといったオカルトを認めない“スーパーデジタル”らしからぬ豪運で、6万点台まで点棒を積み上げた。
中継で解説を務めていたセガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)も「七対子の天才ですね!」と感嘆したこの場面について、小林は「トップ目だったので受けと攻めの両方を考えながら。結果的に受け気味の七対子がうまくいった」と攻守のバランスを考慮したものだったと説明。また、Mリーグでは赤牌が3枚含まれていることもあってか、ドラと絡めて高打点の手を作りやすい七対子が頻繁に採用されている。この日の2試合だけで4回も七対子によるアガリが記録されており、そのすべてが満貫以上。正確無比な計算力を誇る小林にとっても、七対子のプライオリティは高まっているのかもしれない。
その後、南1局で滝沢に混一色・七対子の8000点を振り込む場面こそあったものの、解説の魚谷に「放銃してもロボットのように動じないところが小林選手の強さです」と評される不動心で悠々と逃げ切った小林。初勝利後のインタビューで「みなさん、お待たせしました」と笑顔を見せると、視聴者からは「待ってました!」「ロボトップオメ」「めっちゃ嬉しそう」と祝福の声が殺到した。「ロボなのに感情豊かだw」「ロボがニヤニヤw」といったコメントも散見され、そのキャラクターも含めてファンからの人気は絶大のようだ。
【1回戦結果】
1着 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)4万8000点/+68.0
2着 EX風林火山・滝沢和典(連盟)3万8200点/+18.2
3着 渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)8700点/▲31.3
4着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)(最高位戦)5100点/▲54.9
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は10月で翌年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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