プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」11月1日の1回戦が行われ、EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)がラス目からの鮮やかな逆転劇で自身2勝目を挙げた。確率の低い待ちをツモる“神引き”で勝利をたぐり寄せ、所属チームのスポンサーであるテレビ朝日の創立記念日に花を添えた。
対局者は起家からEX風林火山・二階堂亜樹(連盟)、TEAM雷電・萩原聖人(連盟)、渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)。二階堂はここまで7戦をこなしてラスなしと、Mリーグでもその類まれな守備力で安定感ある麻雀を披露していた。
東場は歯車が噛み合わなかった二階堂。親番の東1局ではドラを抱えて先制リーチを仕掛けるも、萩原に安手でうまく流されてアガリならず。さらに東4局ではヤミテンの白鳥にタンヤオ・ピンフ・赤2の8000点を放銃してしまう。この時点でトップの前原と2万2400点差のラス目に転落したが、その闘志はまったく萎えていなかった。
起家の二階堂が逆転するためには絶対に落とせない親番の南1局。「最後の親番なので引くわけにはいかない」と、得意の守備をかなぐり捨てて勝負をかけた。前原がドラの発をポンして満貫確定のテンパイ、さらに白鳥も好形のヤミテンに構える状況で、10巡目にテンパイすると即リーチ。しかしアガリ牌の六・九万は山にわずか1枚。白鳥のアガリ牌の2・5筒が3枚、前原の1・4索が4枚残っているのに比べて、明らかに厳しい待ちだった。
白鳥が満貫確定の追っかけリーチを仕掛けてさらに緊迫感が高まる中、二階堂は王牌(ワンパイ)を含めて残り46枚の山から、唯一のアガリ牌である六万を一発でツモ。単純計算で確率わずか2.17%の“神引き”でリーチ・一発・ツモ・イーペーコー・ドラ2・赤の1万8000点(+供託1000点)を炸裂させ、一気にトップ目に浮上した。実力者同士の真正面からの斬り合いを制した二階堂に対して、中継の解説を務めた赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)は「亜樹さんがアガると嬉しくなっちゃいます。個人的に昔からファンだったので」と突然のカミングアウト。この発言に視聴者からは「告白か?」「恋だな」「ゼウス自由すぎ」といったツッコミが無数に寄せられていた。
その後、前原に逆転されて迎えた南3局。二階堂は鳴きを入れて、ドラで役牌の南バック(後付け)でテンパイ。この仕掛けについて鈴木が「こんなのアガれるの? って思うじゃないですか。でもアガれることもあるんですよ」と解説した直後、見事に南をツモって南・ドラ4の8000点で再逆転。“予言”を的中させた鈴木は「素晴らしいですね。麻雀は可能性のゲームなので、やっぱり諦めちゃいけないんです」と勝利への執念を見せた二階堂の姿勢を絶賛した。
オーラスでもリーチを仕掛け、結果的に1人テンパイで終局に持ち込んだ二階堂。試合後のインタビューでは「しっかり戦ってトップを取りに行こうと思っていました」と笑顔で試合を振り返った。EX風林火山のスポンサー・テレビ朝日の創立記念日である11月1日に花形選手が挙げた勝利だけに、関係者の喜びもひとしおだったに違いない。
【1回戦結果】
1着 EX風林火山・二階堂亜樹(連盟)4万2500点/+63.5
2着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)3万6000点/+16.0
3着 TEAM雷電・萩原聖人(連盟)2万6200点/▲13.8
4着 渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)▲5700点/▲65.7
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は10月で翌年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
(C)AbemaTV