3場所連続の負け越しで、11日(日)から福岡国際センターで始まる大相撲九州場所に臨む前頭七枚目の阿炎(錣山)が、「もう飛ばない」と決意を語った。
阿炎といえば、師匠である元関脇・寺尾の錣山親方譲りの激しい突っ張りが特徴だが、立ち合いの変化も目立った。そのことについて本人は「先場所は立ち合いで飛ばず、場所を通して諸手で当たった」と話しており、その理由を「次のステップに進むため」と説明している。そんな阿炎の先場所は、本来の力を発揮できずに苦しみ6勝9敗と負け越しを喫した。 しかし阿炎は今場所に向けて前を向いている。
「自分自身を出し切れた。ここからまた一歩、前進できる」
先場所の終盤戦では、大関(豪栄道)、大関(高安)、大関(栃ノ心)、関脇(御嶽海)とタフな4連戦が千秋楽まで続いた。「印象に残り過ぎて、逆によく覚えていない」と阿炎節を炸裂させたが、一方では「とくに千秋楽で当たった御嶽海関にはまだ勝ったことが無く、次こそはと思っているのですが……御嶽海関だけではなく、皆さん強いので。自分自身が少しずつ前に進んで、勝ちに行きたい」と神妙な面持ちで本音を明かしている。
現在、幕内には輝(高田川)や隆の勝(千賀ノ浦)などの同級生が名を連ねている。彼らの存在について阿炎は「負けたくない。同級生の中ではずっとトップでいたい。3場所連続で負け越している状況だが、着実に成長もしている。三賞を目指して一番一番取っていきたい。ケガもしっかり治ってきているので、大勝(おおがち)を狙っていきたい」と話したのに続いて、美しいと評判の四股についてライバルを問われると「自分が一番キレイ。四股なら誰にも負けない」と持ち前のビッグマウスを披露した。
巡業を休場した要因でもある足首の状態も含めて「体調は良いが、ケガ自体は完治していない」らしく、慎重な対応が続いているというのが気がかりだ。それでも「今場所も盛り上げていきたい」と話すと、AbemaTVで見かける力士紹介のチャートについて「総合評価は『D』にして欲しい。評価が低い方が、勝った時に盛り上がるじゃないですか」と“らしさ”ものぞかせた。「自分自身、一歩進まないと強くなれない。飛ぶのではなく、前に出て、攻め続けた師匠のような相撲に近づいていきたい」と改めて今場所への決意を滲ませた阿炎が、果たしてどのような十五日間を見せてくれるのか、期待したい。
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