様々な職業がAIに置き換えられると言われる中、中国の国営通信社・新華社が7日、「AIアナウンサー」をデビューさせた。
配信された映像を見てみると、AIアナウンサーは中国語と英語の2タイプがあり、スラスラと話すだけでなく、発語に合わせた口の動き、まばたき、眉毛・喉仏までが微妙に動く精巧さだ。新華社はその出来栄えを「365日24時間対応」「読み間違えゼロ」とアピールしており、本物の人間と見間違えるほどのクオリティに、ネット上には「中国のAIアナウンサーがリアルすぎて粗探しできないレベル」「表情も発音も自然だし、すごい時代になってきているな」「なんか怖いな。アナウンサーも不要になるの?」と驚きの声が上がった。
人工知能に関する研究をしている国立情報学研究所の山田誠二教授は「感情の表現があまり極端に出ないので、客観的に伝えている雰囲気を出すことが非常にうまくできている。表情を変えず客観的に伝えるようなニュースで活用されていくと思う。今後、AIアナウンサーがやる方が適切な場合と、人間がやった方が良い場合とで"棲み分け"が進んで行くではないか」と話す。
ITジャーナリストの三上洋氏は「どんなニュースも強弱ない表現で読み上げられる」とメリットを挙げる一方で、「よく言えば中立的だが、新華社の場合、中国政府の意図に沿った"操作"もできるので、良いと思えない」と懸念も示す。コンサルタントの宇佐美典也氏も「中国の場合、アナウンサーが政府をベタ褒めしたときに視聴者が批判的な意思表示を読み取ることもある。株価のニュースなど、感情を込める必要がなく、読み間違いのないほうがいいものについては適しているのではないか」と指摘した。
ちょうどAbemaTV生出演の緊張感から汗をかいていたテレビ朝日の斎藤康貴アナは「喋りも非常に安定している。怖いくらい。テレビ朝日のアナウンス部も緊急地震速報などの対応のために24時間、誰かが勤務するようになっている。疲労や人件費を減らせるという点からはありだと思う」としながらも、「私たちは一つ一つの読みを大切にして感情を込めたり、大事な所は強調したりしている。今後そこまでできるようにかもしれないが、やっぱり人がやる方が伝わるのでは…でも僕、要らなくなってきますかね…」とコメントしていた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
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