<大相撲九州場所>◇七日目◇17日◇福岡国際センター
 117キロの小兵力士として知られる十両五枚目・石浦(宮城野)と、40歳の大ベテランである十両二枚目・安美錦(伊勢ヶ濱)の一番が、館内をざわめつかせ、盛り上げた。
 素早くも正攻法の取り口が魅力の石浦と、様々な立ち合いや変化を見せる“土俵の魔術師”“行司泣かせ”として知られる安美錦だけに、勝負は立ち合う前から始まっていた。時間いっぱいで、行司から「待ったなし」の声がかかった1回目の立ち合い。素早く突っかけた石浦だったが、これは安美錦の両手がつく前で不成立に。続く2回目もタイミングが合わなかったものの、行司が「残った!残った!」と発したことで成立したかと思われた。安美錦が押し出しかと思われたが、直前に審判長から不成立を示す手が挙がり、またも不成立になった。3回目の立ち合いは、今度は安美錦が早すぎた。張り差しを狙ったのか、直後に右手で張ったものの、これも合わず。石浦はまさかの“張られ損”となってしまった。