今年5月に起きた、日大アメフト部の悪質タックル問題。警視庁は12日、傷害罪で刑事告訴されていた日大の内田正人前監督と井上奨前コーチの立件を見送ることを決定した。
5月22日、悪質タックルをした宮川泰介選手は会見で「タックルは2人の指示に従って及んだ行為」と説明。また6月、第三者委員会の報告書では「内田氏と井上前コーチの2人が宮川選手に悪質なプレーを指示した」と認定していたが、今回警視庁は「2人が反則行為を学生に指示した事実は確認できず、刑事事件として立件できない」と結論づけた。一方、宮川選手に関しては相手にケガをさせた事実を認定し、同容疑で書類送検する方針だ。これにはネットも加熱気味で、「納得いかねえ!」「胸クソ悪い!」「法治国家としての日本は終わった」と様々な声が上がっている。
さらに11月9日、名古屋経済大学高蔵高校の野球部の監督が練習後、複数の部員に対し殴る・蹴る・投げ飛ばすなどの暴行を加える新たなパワハラ行為が再びスマホで撮影された。その激しさにネットは「体罰?もうそんな時代じゃない」「行き過ぎた指導では許されない」「これは体罰じゃなくて傷害事件だろ」とヒートアップ。同校によると、野球部に定められている携帯電話に関する持ち込みルールが徹底されていないことに腹を立てたことが発端で、現在監督は自宅謹慎中だという。
韓国でも、平昌オリンピックで銀メダルを獲ったカーリング女子チーム5人の選手が、代表監督の一族による暴言やパワハラ、大会賞金独り占めなどの不正を告発するなど、最近では様々な業界でパワハラ報道が多く聞かれている。
相次ぐパワハラ報道について、18日放送のAbemaTV『Abema的ニュースショー』に出演した元格闘家の前田日明氏は「武士道精神を基礎とした日本文化は徐々にパワハラ、その他のハラスメントによって因数分解し、消費尽くされ消えていくだろう」と言及。その意図について、「日本は『意を汲めよ』『言わなくてもこうしなさい』と察する文化。それ自体がパワハラ以外の何物でもない。元々パワハラの究極系の文化で、それがダメだとなってしまうと徐々にみんなが本質がわからなくなってしまう」と話す。
プロレスラー選手時代、自身にも「言葉よりもまず手が飛んできた」という前田氏。「実際、問題になる若い子らは反抗期で、言っても聞かない。じゃあ昔どうしていたかというと、手を出していたこともあったけど、『この人を怒らせたら怖いぞ』『怒らせたら何をされるかわからない』という指導者としての格好がついていてみんな言う事を聞いていた」と説明。それが戦後から失われるようになっていったとし、「アメリカが先生やコーチ、軍隊もフレンドリーだというのは大嘘で、必要な権威はちゃんと文化として持っている。日本は権威を捨ててしまったので、若い人間に対しての武器がない。どうしたらいいのかわからなくて手を出してしまう。会社や政治家から先生まで、日本全体で格好のつけ方がわからなくなっている」との見方を示した。
さらに、加熱するメディアの報道にも触れ「1回何か起こったらぺんぺん草も生えないぐらい燃え尽くしてしまう。女子レスリングもアジア大会で金メダル1個も獲れなかったのも、それが影響していると思う」と述べた。
(AbemaTV/『Abema的ニュースショー』より)
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