プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」11月20日の1回戦で、TEAM雷電・黒沢咲(連盟)が10月22日以来1カ月ぶりにトップを取り、自身2勝目、チーム通算7勝目を挙げた。
対局者は起家からU-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)、渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)、TEAM雷電・黒沢咲(連盟)、EX風林火山・勝又健志(連盟)。
TEAM雷電は前日までに▲197.1で6位。11月1日以降トップが無い苦しい状況に置かれていたものの、直近4試合では瀬戸熊直樹(連盟)、黒沢、萩原聖人(連盟)の3人ともオール2着で踏ん張っていた。
麻雀ファンから「セレブ打法」と呼ばれている黒沢の妥協しない打ち筋が炸裂したのは東3局2本場。親番で役無しながらも三、六、九万待ちテンパイが入ったが「もう1翻つけたいな」と七万を切ってヤミテンに構えた。
解説の赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)も「セレブはリーチ・赤1テンパイでは嫌なんですよ。メンタンピンにしてからじゃないですか」と言うとおり、次巡に4索を持ってきて平和とタンヤオの2翻を加えて、九万切りでリーチを宣言。リーチ・ツモ・タンヤオ・平和・赤・ドラで1万8000点(+600点、供託1000点)にまで手牌を育て上げ、トップ目に立った。
さらに続く東3局3本場でも「きっとドラを引くんだろうな」と思惑通りにドラを暗刻にして、ダブ東・ドラ3で1万2000点(+900点)とわずか2局で3万2500点を加点。 視聴者からも「セレブリティタイム、楽しい」「これは強い、セレブマジック」「強可愛セレブツモだ!」と卓上に咲き誇るセレブ打法に湧いた。
これが決まり手となり、チームに11戦ぶりとなるトップをもたらした。「耐えていた分、下に行かずにグッと上昇できるよう流れを変えられるかな」と素直に喜び「大好きなお寿司を食べたおかげか、ドラや赤牌がたくさん来たので高打点が出来て気持ちよかったです」と頬を赤らめた。
「普段から跳満以上を意識しています」という黒沢は、大事な試合がある時、お守り代わりに“あるもの”を持ち歩いている。「おじいちゃんが天和をアガった時に作ったタオルが、最近出てきたんです。そのタオルを母が綺麗に洗濯をしてくれたので、試合の日にはこっそり持って来ています」。祖父は黒沢が幼少期だった頃に亡くなり、卓を囲んだことは無いそうだが、孫娘の活躍を天国から見守っているに違いない。
この勝利でチームのマイナスを減らし、個人スコアも+27.4とプラス域に突入。チームの苦境をはねのけた勝利の女神は、駆け上がる先に広がる未来を見据えた。【福山純生(雀聖アワー)】
【1回戦結果】
1着 TEAM雷電・黒沢咲(連盟)3万9100点/+59.1
2着 渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)2万5300点/+5.3
3着 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)2万800点/▲19.2
4着 EX風林火山・勝又健志(連盟)1万4800点/▲45.2
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は10月で翌年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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