将棋の羽生善治竜王(48)が11月21日、阿久津主税八段(36)と順位戦A級5回戦で対局し、79手で勝利した。この対局で史上7人目となる通算2000局を達成。48歳1カ月25日、四段昇段後から32年11カ月3日での達成は、谷川浩司九段(52歳4カ月29日・37年8カ月15日)を抜いて最年少・史上最速となり、大台達成に自らの勝利で花を添えた。
佐藤天彦名人への挑戦権をかけた順位戦A級は、豊島将之二冠が5戦全勝で単独トップ。これを追っている羽生竜王は、阿久津八段を終始圧倒。今期の成績を4勝1敗とし、昨年に続く挑戦権獲得に向けて、豊島二冠をぴったり追走する格好になった。残り5戦で、羽生竜王は豊島二冠との直接対決(8回戦・先手)を残している。対局後、羽生竜王は「加藤先生の記録(2505局)はまだまだはるか遠く。自分なりに一歩一歩前進していければいいなと思います」と語った。
羽生竜王は1985年12月18日に四段昇段。19歳2カ月で初タイトルとなる竜王位を獲得すると、1996年には当時7つだったタイトルを全て保持する「七冠独占」を達成。2017年には永世資格がある7つのタイトル全てで資格を得る「永世七冠」を達成すると、国民栄誉賞も贈られた。今回の2000局到達は、年間約60局というハイペースでの達成となった。現在は史上最多99期となっている通算タイトル数を、大台の100期に到達させるべく、竜王戦七番勝負で防衛戦を行っている真っ最中。さらには今回の勝利で1417勝まで伸びた通算勝利数で、大山康晴十五世名人が持つ最多記録1433勝の更新を目指すことになる。
◆羽生善治竜王の主な記録
タイトル獲得数 99期(1位)
一般棋戦優勝 44回(1位タイ)
七冠独占(1人だけ)
永世七冠(1人だけ)
通算成績 1417勝581敗2持将棋 勝率.709
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