プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」11月22日の1回戦で、セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)が自身5勝目、11月だけで4度目となるトップを獲得した「天才」と称されるママさん雀士の勢いが止まらない。
対局者は起家からEX風林火山・滝沢和典(連盟)、赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)、セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)。首位を走るEX風林火山と、2位の赤坂ドリブンズの首位攻防戦となった。
11月だけで5戦3勝、さらに1回戦では3戦3勝と絶好調の天才・茅森。とはいえこの日の対局者は、Mリーグで抜群の安定感を誇る滝沢、ここ最近4戦3勝の鈴木、前回出場時に1着2着の前原と、解説を務めた渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)が「この中から誰か負けるの? 誰1人としてラスになるイメージがない」というほど調子の良い選手ばかり。そんなメンバーに囲まれたことで茅森の勝負勘はいつも以上に冴え渡り、攻守にメリハリの効いた麻雀を披露した。
ここ最近の茅森の手には、とにかくドラが集まる。東2局では役牌を鳴いて軽く手を仕上げながらも、白・ドラ・赤の3900点のアガリ。続く東3局は親番の前原が仕掛けを重ねて他家が後ずさりする中、茅森はカンドラが増えたこともあり終盤に果敢にリーチをかけた。するとこの判断が大正解。即座にアガリ牌をツモり、リーチ・一発・ツモ・赤・ドラの満貫で8000点を加点してトップ目に立った。
その後はスピード負けする局が多く、場況を冷静に判断しつつ守備を固めた茅森だったが、滝沢に続く僅差の2着目で迎えた南3局。配牌で場風・自風の南が2枚、赤牌が2枚の大チャンス手が入り、さらに1巡目に南をポンして勝負を仕掛けた。8巡目、すでにテンパイしていた茅森が北単騎待ちから絶好の3面張に進化させた直後に、トップを争っていた滝沢から放銃。狙い通りのダブ南・赤2の8000点を奪取し、一気に勝負の趨勢を決定付けた。
またしても1回戦で勝利を収め、チームの起用に見事に応えた茅森。試合後のインタビューでは、ここ最近の好調について「どうしちゃったんでしょうね? 自分でもすごいなと思っています」と柔和な笑顔を見せていた。「攻めと守りがマッチして、いい結果になりましたね」という言葉通り、放銃ゼロの守備、そして要所でのアガリという理想的な展開に、視聴者からも「天才すぎる」「茅森強すぎるわ」といったコメントが寄せられていた。
個人スコアでトップを走る解説の多井も「11月の茅森はマズいですよ。お休みしていてほしい」と苦笑しながらコメントするほどの好調ぶり。茅森は個人スコア、平均打点、4着回避率のすべてで上位にランクインしており、現在のセガサミーフェニックスのエースと呼べる存在だ。相手が強くなればなるほど打牌が冴え渡る天才・茅森にとって、強豪揃いのMリーグはまさに最高の舞台。11月の“超天才モード”が来月以降も持続すれば、個人としてもチームとしても、頂点がはっきりと見えてくるだろう。
【1回戦結果】
1着 セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)3万4400点/+54.4
2着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)3万2600点/+12.6
3着 EX風林火山・滝沢和典(連盟)2万4700点/▲15.3
4着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう(協会)8300点/▲51.7
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は10月で翌年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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