24日に行われた大相撲九州場所十四日目、結び前の一番で2敗の大関・高安(田子ノ浦)が1敗の小結・貴景勝(千賀ノ浦)を直接対決で下して貴景勝の初賜杯に「待った」をかけた。
 取組は終始、強烈な突き押しを繰り出した貴景勝ペースで進んだが、土俵際で時計回りに1回転してその圧力を交わした高安が、結果的に引き落としで勝って2敗を死守した。
 立ち合い二度目の突き押しで大きく大関を後退させた貴景勝。その瞬間、土俵下で審判員として取組を見守っていた千賀ノ浦親方が思わず体を右に傾け、まるで「行け」と心の中で叫んでいるかのような表情で大きく口を開いた。しかしその直後、土俵際で高安にかわされた貴景勝が土俵に倒れ、優勝を決定づける白星がスルリと手からこぼれ落ちた。