激情、熱情。将棋の女流棋士・香川愛生女流三段には、そんな言葉がよく似合う。時として、その凄味を含んだ気迫から「番長」と呼ばれることもあるが、その強い思いが実力社会の将棋界にあって、自分を支えている。「それまでエネルギーを持て余していたと思うんですよね」と振り返った小学3年生時に将棋と出会い、その後は将棋の道を突き進んだ。「もともと熱しやすく冷めやすい子どもだったんですけど」と語るが、将棋だけは別物だった。