プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2018」12月6日の1回戦で、EX風林火山・滝沢和典(連盟)が39歳の誕生日を自ら祝うメモリアルな勝利を達成した。神様からのバースデープレゼントか、自身15戦目にして初の裏ドラも乗せ、チームを再び首位の座に押し上げた。
1回戦の対局者は起家からEX風林火山・滝沢和典(連盟)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)、渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)、赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)。地位を盤石にしたい上位3チームと、後半戦での反撃を期する最下位・KONAMI麻雀格闘倶楽部の対決となった。
お手本のような端正な麻雀を打つことで知られているイケメン雀士・滝沢。Mリーグではここ数年の不調を吹き飛ばすかのような安定感あるプレーを披露してきたものの、ほとんど唯一と言っていい“課題”があった。この日の試合前まで14戦をこなしていながら、全21選手中ただ1人、裏ドラが一度も乗っていなかったのだ。そんな状況で迎えた39歳の誕生日。是が非でも勝利が、そしてあわよくば裏ドラが欲しい絶好のシチュエーションで、麻雀の神様がついに滝沢に微笑んだ。
親番の東1局、滝沢は佐々木からダブ東・赤の5800点の直撃を奪って幸先のいいスタートを切った。東2局では仕掛けを駆使してドラの中を使った染め手に仕上げ、白鳥からの直撃で中・ホンイツ・ドラ3の1万2000点(供託1000点)を加点。続く東3局でも白鳥から七対子・ドラ2の6400点をアガり、「黒沢さん並に手が来てくれた」と豪運で知られるTEAM雷電・黒沢咲(連盟)を引き合いに出すほどの好調ぶりで対局者との差を開いていった。
待望の瞬間はトップ目で迎えた南1局に訪れた。親番で先制リーチをかけると、リーチで追いかけてきた白鳥とのめくり合いを制してアガリ牌をツモり、ついに待ちに待った裏ドラをゲット。「ついにきた!」「タッキーおめでとう!」「裏ドラが乗るタッキーに死角なし」といった視聴者コメントが殺到する中、リーチ・ツモ・ドラ2の1万2000点(供託1000点)で一気に試合の趨勢を決定づけた。さらに滝沢は続く南1局1本場でも5巡目にリーチ。“侵略すること火の如く”を体現したかのような猛烈な勢いに他家は手も足も出ず、結果的に村上が放銃。この手にまたしても裏ドラが乗り、リーチ・タンヤオ・ドラの7700点(+300点)で点棒は一時6万点台後半にまで達した。
記念すべきバースデーにMリーグでの5勝目を挙げた滝沢は、個人スコアで3位までジャンプアップ。勝利者インタビューでは「今まで以上に真剣に麻雀に取り組んで、とにかく真摯に打ち続けたいと思います。まだまだ油断はできないので」と今後の抱負を語っていた。その言葉通り、連投となった2回戦でも2着をしっかりと確保し、EX風林火山は赤坂ドリブンズを交わして首位に再浮上。大好物のお酒のほか、たくさんの誕生日プレゼントを受け取ったという滝沢だが、“麻雀バガボンド”としてはこの日の勝利と初裏ドラ、そしてチームの首位奪還がなによりも格別なプレゼントだったに違いない。
【1回戦結果】
1着 EX風林火山・滝沢和典(連盟)4万8100点/+68.1
2着 赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)2万1200点/+1.2
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)2万900点/▲19.1
4着 渋谷ABEMAS・白鳥翔(連盟)9800点/▲68.1
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は10月で翌年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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